0001鉄チーズ烏 ★
2022/01/03(月) 06:31:55.21ID:CAP_USER92022年01月03日
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NHK受信料の値下げ法案がようやく動き出す。今年1月、総務省が国会に提出する放送法改正案は、NHKが積み立ててきたおよそ1500億円もの剰余金を、受信料値下げに充てることを義務づける法案だ。果たしてNHKは変わるのか。
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そもそも放送法改正案は、21年2月に提出されたものだ。ところが、菅義偉前首相の長男らによる総務官僚接待問題が発覚したため、改正案は塩漬けにされた挙げ句、廃案となってしまった。今回は、そこに放送事業者に対する外資規制の監視強化などを新たに盛り込んだ上で、再提出するというのだ。
前回と同じく、国民が最も気になるのは受信料の値下げだろう。
21年6月にNHKが発表した「2020年度決算概要」を見ると、事業収入7121億円のうち受信料収入は6895億円で、実に96%を占めている。それでも昨年度は、コロナ禍で全国的に訪問活動を停止したことなどにより、受信料収入が65億円減ったという。もっとも、訪問活動をやめたことで、その経費は62億円浮いたとある。65億円集めるために62億円も使ってどうするのか、という疑問が浮かぶ。NHKには無駄が多いのだ。
その最たるものが年々膨らみ続ける剰余金だ。NHKは“財政安定のための繰越金”と言っているが、平たく言えば内部留保である。これ以上ないほど安定した収入があるというのに、20年度の繰越剰余金は1481億円で、19年度の1213億円よりも268億円も増えている。それもこれも、受信料の支払い者が8割にも達したおかげだ。
■剰余金を値下げの原資に
ちなみに、同レベルの内部留保を持つ民間企業を見てみると、たとえば三越伊勢丹ホールディングスは21年3月期の決算で、利益剰余金1388億円と発表している。20年は1836億円もあった。コロナ禍にあっても金が余るNHKとは違うのだ。
NHKの剰余金は、約10年前の2011年に遡ると1413億円だった。現在とあまり変わりないようだが、この時には新社屋の建設積立金はまだなく、翌12年から積み立てを始めている。現在、建設積立金は1693億円。つまり20年度は、繰越剰余金1481億円と合わせて3174億円もの“剰余金”があるわけだ。
肥大化し続けるNHKへの批判も高まり、総務省はNHK改革を掲げた。そこでNHKが経営計画(21〜23年度)で提案したのが、経営をスリム化し、23年度までに700億円程度を確保して受信料を値下げする、というものだった。さらに、剰余金を積み立て、「受信料の値下げの原資」にしたいとの提案もされた。
それに答える形で、総務省の「公共放送の在り方に関する検討分科会」が公表したのが「公共放送と受信料制度の在り方に関するとりまとめ」だ。改めて見てみよう。
■東日本大震災でも黒字
「繰越剰余金の受信料への還元」については、《適正水準以上の剰余金は、視聴者に還元すべきであり、受信料の引下げによってその適正化を図ることが適当である》としている。その上で、《繰越剰余金の水準については、国民・視聴者の意見を踏まえ、明確かつ適正な水準とする必要がある》と注文を付けている。予算の組みようによっては「剰余金は出ませんでした」で、視聴者に還元する必要もなくなるからだ。
「とりまとめ」には、水準の検討に当たって考慮すべき点が挙げられている。
・《繰越剰余金は、1990年から2000年代半ばまで200〜600億円で推移していたが、財政上の問題は発生していないこと》
・《2011年の東日本大震災後に際して、繰越剰余金の取崩しは行われなかったこと》
・《NHKは、放送法に基づき放送設備の建設又は改修の資金の調達のため、経営委員会の議決を経て、放送債券の発行が認められていること》
東日本大震災の時でさえ、223億円の黒字経営だったとは驚きだ。また、放送債券の発行が認められているにもかかわらず、1693億円も積み立てていたというわけだ。だからこう警告している。
《積立金が蓄積されているにもかかわらず、受信料の引下げを実施しない場合には、国民・視聴者に対してその理由について説明責任を果たすべきである》
さらに、《NHKにおいては、予算消化を目的とする不要な支出が生じないよう、これまで以上にチェック体制を確保することが必要》と。