12/16(木) 15:55
デイリースポーツ

野口聡一宇宙飛行士 前澤氏に「宇宙行きが一般に受け入れられる素晴らしいきっかけ」
宇宙飛行記念品返還式に出席した宇宙飛行士の野口聡一氏(右)と2025年日本国際博覧会協会の竹内廣行副事務総長=大阪市内
 宇宙飛行士の野口聡一氏(56)が16日、大阪市内で行われた「宇宙飛行記念品返還式」に出席。昨年11月から今年5月にかけて3回目の宇宙飛行を行った野口氏が、ともに飛行した「2025年大阪・関西万博開催を応援する旗」を返還した。

 国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在する宇宙飛行士は、自ら選んだ記念品を一緒に宇宙飛行させることができ、帰還後に記念品を地上に持ち帰ることができた場合は当該品が返還される。野口氏が制度を利用し、「大阪で行われる万博のものを何かお預かりしたい」と19年春ごろ、2025年日本国際博覧会協会に記念品の選定を依頼し、協会側で旗を作成した。

 父親が大阪・阿倍野の出身で「もともと大阪の文化にリスペクトがある」という野口氏は、1970年万博も訪れているといい「月の石を実際に触れた」と述懐した。初の宇宙飛行時には05年愛知万博が開催され、宇宙空間から交信、メッセージを出す形でかかわったとした。

 「今回、3回目の宇宙飛行を迎えるにあたり、また日本の地で大きな集まりが行われるということで、国を挙げての巨大プロジェクトということで一国民として何らかの形で協力したいというのが大きなモチベーションになっている」と明かした。

 そして、「70年万博は多くの日本人にとって人生を変えるイベントだった」とし、25年万博に対しては「国としての品位を出すまたとない機会。日本が世界に向けてどういう姿勢を示せるか。(万博のテーマ)『いのち輝く未来社会のデザイン』は素晴らしい言葉。命が輝く社会をSDGsは目指していると思うが、子供たちが自分の未来が命輝く世界になっているんだと感じるような展示・イベントを目指して欲しい」とした。

 なお、旗のサイズは縦60センチ×横90センチ、重さ50グラムで、野口氏は「旗はたたんだ状態でNASA(米航空宇宙局)で真空パックにして圧縮した形で打ち上げられ、宇宙空間で自分の関連団体のものを受け取れる。パッケージを開いて宇宙空間で広げているところを撮影して、もう1回たたんで地球に戻す仕組み」とした。その後、NASAで品質管理した上で返還されたが、「そのプロセスを飛行前後、1年ぐらいかけている」と明かした。

 また、野口氏は、現在、日本の民間人として初めてISSに滞在しているファッション通販サイト「ZOZO」創業者で実業家の前澤友作氏(46)についてコメントした。

 「前澤さんと(マネジャーの)平野(陽三)さんはメディアでの映像も拝見している。直接、我々は彼のミッションに今回は協力はしてないが、今年、日本人が4名、宇宙に行く年になった。私と同じくJAXA宇宙飛行士の星田彰彦、前澤さんと平野さん。政府のお金で行く2人と、民間のお金で行く2人と非常にバラエティーに富んでいるし、日本人が宇宙に行くということが一般的に受け入れられる素晴らしいきっかけになっているのでは。そういう意味で同じ日本人として、彼らの無事の帰還を今は静かに祈っているところ」と思いを明かした。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/375f522c3751e6ec03a1adfb7b0fbbde334bb046