ロンドン=遠田寛生2021年12月6日 6時00分

 なんて日だ。

 7月11日、英ロンドン。イングランドのサッカー関係者の間では、そんな言葉が飛び交った。

 サッカーの聖地と呼ばれるウェンブリー・スタジアムで、欧州選手権(ユーロ)の決勝が行われた日だ。イングランドは先行したものの、追いつかれ、延長PKの末、イタリアに敗れた。

 イングランドが同地で開催された主要大会の決勝に残ったのは1966年のワールドカップ以来。歴史的な瞬間を迎えられず、多くの人が頭を抱えた。

 しかし、惨劇はこれだけではなかった。スタジアムの外では、壮絶な場外戦が繰り広げられていた。

 12月3日、当日の報告書が発表された。すると、スタジアム関係者たちがチケットを持たない何千人という「暴漢」と戦っていたことが明らかになった。

 報告書を担当したのは、かつてのキャメロン首相らの依頼でこれまで何度も英政府の調査と分析を担当してきた独立顧問のルイーズ・ケーシー氏。イングランドサッカー協会(FA)やスタジアムの関係者らの聞き取りから、監視カメラ映像を4千時間以上見直し、7700人以上の観客からアンケートをとるなどして調べた。結論として、試合当日についてこう記している。

 「国家の恥をさらけ出した日」
     ===== 後略 =====
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