12/10(金) 5:15配信
東スポWeb

インパクトある勝利が求められる井上尚弥(大橋ジム提供)

 レジェンドが期待するモンスターの姿とは――。WBAスーパー&IBF世界バンタム級統一王者・井上尚弥(28=大橋)は、IBF世界同級5位のアラン・ディパエン(30=タイ)との防衛戦(14日、東京・両国国技館)を控える。豪快なKO劇が見られるのか注目される中、元WBC同級王者で神の左≠ニ称された山中慎介氏(39)が本紙の直撃に応じ、防衛戦を占った上で怪物への願望も口にした。

 井上は2年ぶりとなる国内凱旋に「皆さんの予想をはるかに超える勝ち方をしたい」と気合十分。一方で「自分を見失っちゃいけない。流れがくれば倒すというボクシングを心がけて」と過信や無駄な気負いはみじんもない。とはいえ、やはりファンが期待するのは、モンスターの拳が早々に相手をのみ込む光景だろう。

 現役時代にWBC世界バンタム級王座を12度防衛したレジェンドの山中氏もその一人で、井上の圧倒的優位を予想する。タイトルが絡む試合でのタイ人選手の驚異的な闘志やタフネスぶりは要注意だというが「パワー、技術もそうだが全体的なスピード感が違う。それが決定的な違いだと思う」と指摘した。

 今回は単なる防衛戦ではなく、かねて野望とする4団体統一へ重要な意味を持つ一戦だ。直前の11日(日本時間12日)に、WBO王者ジョンリール・カシメロとWBC王者ノニト・ドネア(ともにフィリピン)が、それぞれUAE・ドバイ、カリフォルニア州カーソンで指名試合を行う。

 対抗王者2人とそろい踏みとなるバンタム級ウイーク≠ナ大トリを務めるのが井上。長らく対戦を熱望するライバルたちに優位性を見せつける勝ち方を見せたいところ。山中氏は「バンタム級の今後の予想という意味でも比べやすい試合日程。やっぱりインパクトを残して、それらの勝者とやっても井上尚弥が勝つだろうなという試合を期待したい」とインパクトある勝利を求めた。

 さらに今後のモンスターにも言及した。「どこまで(階級を上げて)いけるのか楽しみ。バンタム級後は段階的にはスーパーバンタム級もあるが、ワンマッチでもいいんで(2階級上の)フェザー級くらいの相手とやってほしい気持ちはある」。かつて所属ジムの大橋秀行会長もその可能性を語っていたが、山中氏も日本人初の5階級制覇を目撃したいのだ。

 レジェンドをもとりこにさせてしまうモンスターの魅力。まずは次戦で圧倒的な実力を披露して当面の目標である4団体統一へとつなげる。

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