0001鉄チーズ烏 ★
2021/12/03(金) 20:55:02.93ID:CAP_USER9https://basketballking.jp/wp-content/uploads/2021/12/GettyImages-1354339583.jpeg
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。
世界一のエンターテイメントであるNBAさえ、新型コロナウイルスによる弊害は未だ拭えていない。一見、何事もなかったかのように開幕した2021−22シーズン。しかし、その傷は大きく、『theScore.com』によると、NBAの観客動員数はパンデミック前の2018−19シーズンと比較して、大幅な減少が確認されているという。
人混みのなかでの長時間滞在、大切な人や我が子を危険に晒す可能性、不調の地元球団の試合に高いチケット代を支払いたくないという気持ち。様々な不安と行動様式の変化が重なって、スタジアムには空席が目立つ状況が続いている。
そして、我々はこのようなリスクを避けるべく、直近の1〜2年、個人レベルで身の回りの整備投資を行ってきた。リモートワークの推奨により、人々は自宅のインターネットをアップグレード。そして、ハイビジョンテレビやソファでリビング環境を整えてしまえば、ボタンひとつで世界中のあらゆるスポーツリーグを快適に観戦できる。しかも、チケット代のほか、1000円のビールを買う必要もなければ、3000円前後の駐車料金を支払うことも、1000人とトイレを共有することもなく、だ。
こうした影響から、NBAは30チームのうち12チームが、2018−19シーズンと比較して今シーズンの観客動員数が2ケタ減少を記録しているという。
そのなかで最も打撃が大きい球団はオクラホマシティ・サンダーで、減少率はマイナス24.8パーセントと、約4分の1も客足が遠退いている。これには今シーズンの不調のほか、ラッセル・ウェストブルックやポール・ジョージといったスター選手の不在も大きな要因と推測される。また、インディアナ・ペイサーズがマイナス21.9パーセント、デトロイト・ピストンズがマイナス18.7パーセント、サクラメント・キングスがマイナス16.7%、サンアントニオ・スパーズがマイナス16.6パーセントを記録し、リーグ全体で5つの球団が-15パーセントを超えた。
その一方で、ブルックリン・ネッツはプラス10.5パーセントと、リーグで唯一の2ケタ上昇をマーク。これは、ケビン・デュラントやジェームズ・ハーデンといったスター選手の相次ぐ加入の賜物で、例外的な上昇と見ていい。ただし、アトランタ・ホークス、シカゴ・ブルズ、ボストン・セルティックス、ミネソタ・ティンバーウルブス、フェニックス・サンズも微増ではあるが、プラスに転移しいてることが確認されている。
このようなスタジアムの過疎化は、球団経営に大きな弊害を生むだろう。ホーリークロス大学のスポーツエコノミスト、ビクター・マチソンはNBA球団のスタジアム収入について、以下のように説明している。
「我々のリビングに巨大なテレビがあり、テレビやメディアの権利が支配的であっても、NBAやNHLに所属するチームは、アリーナに足を運んだファンからの収入が全体の半分程度を占めています。すなわち、観客動員数が10〜20パーセント減ると、収入が5〜10パーセント減少します。これは極めて大変なことです」
では、どうすれば、ファンはスタジアムへ帰ってきてくれるのだろうか。
「ワクチン接種の普及を支援することでしょう。観客動員型スポーツは、COVID-19で最も大きな打撃を受けた業界のひとつです。ワクチン摂取を促進することは、間違いなく、業界の大きな後押しとなります。それが我々全員の(失った日常生活の)復活につながり、ポジティブに試合に臨むことができるでしょう」
世界がパンデミックに真の意味で打ち勝つまで、スポーツ業界の戦いは続く。今はファンの一人ひとりが自分のできる最大限のことを考え、行動に移すべきだろう。