――対戦相手のセルジオ・ペティス選手にはどんな印象を抱いていますか? 

堀口 映像を見る限り、右のカウンターがうまい選手で、どちらかといえば打撃タイプだと思います。海外で勝つ選手は全体的なバランスがないと勝てないので、もちろん寝ても寝技はできるでしょうし。あと、ペティスは近めに立つ選手。こちらは近くてもできるし、遠くてもいけるって感じです。

――早い決着になる、といった試合展開のイメージはできていますか。

堀口 打撃でも寝技でもやりあえるようなスキルは用意してあるので、どこでも勝負できるかなと。まぁ、1発入れば、決まれば終わりの世界なので、早い段階で終わる可能性はあります。

――ペティス選手は堀口選手に対して、どんな対策をしてくると思いますか。

堀口 たぶん(朝倉)海くんとの試合映像は見ていると思うんですよね。「このタイミングでカウンターが入っているんだ」とか。ペティスはそこのカウンターが一番得意だと思うので、狙ってくるのかなとは考えています。

――12月3日まで、試合に向けてどんな調整をする予定でしょうか。

堀口 少し早めに親父と兄貴に来てもらって「空手」の打ち込みだったり。空手の動きや“間”は外国人選手だけでなく、どんな選手にも有効。簡単にいうと、ステップを捨てて遠くから(相手の懐に)入れる、思ってもいないとこから入れる、というか。こっちだと本格的な空手の練習はなかなかできないので、それを思い出そうかなと思っています。

――今回はRIZINのベルトを持っての挑戦です。前回のインタビューでは「いつもベルトのことはあまり考えていない」と話していました。

堀口 考えないですよ。やっぱり本当に直前にならないと。もちろん試合のことや対策は考えますけど、いつも呑気なんですよ(笑)。

――RIZIN王者として「日本代表」という思いや誇りはありますか。

堀口 やっぱり日本人はナメられているじゃないですか。UFCやBellatorに(日本人は)いないですから、そうなると日本はレベルが低いと見られてしまう。そういう意味でも今回しっかりベルトを獲って「日本人は強いよ」というところを見せたい。もっと格闘技を広めて、下の世代の子たちに夢を持たせたいですよね。

――アメリカに渡ったことで、改めて母国への思いが芽生えてきたのでしょうか。

堀口 自分の場合は、日本っていうバカでかいものではなくて、空手の師匠だった二瓶(弘宇)さんだったり、親だったり、そういう身近な人のサポートがあって今の自分があるんだなということを改めて感じているので。支えてくれた人たちへの恩返しを、という思いで戦っています。「世界一強い格闘家」を目指してやっているし、その称号を獲った時は、きっと周りの人たちも喜んでくれると思う。それを見たいですね。

――前回の試合では決着後に「イージーファイト」と叫ぶ姿が話題となりました(本人曰く「俺らならこんな感じだよね」という意)。

堀口 頑張ります、忘れていなかったら(笑)。ATTのオーナーからも、どんなにボロボロになっても「イージーファイトと言え」って言われているんですよ。だから血だらけになって叫ぶのもいいかなって。

――新しい「イージーファイト」を楽しみにしています。

堀口 ありがとうございます。頑張ってきます。

※12月3日のタイトルマッチ後にも堀口恭司選手のインタビューを予定しています。

Number Web (「All in the Next Chapter」田中大貴 = 文) 記事の一部抜粋
https://news.yahoo.co.jp/articles/71c046f8be47ddba8e719913d92023ed3f12d10c?page=2
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