■マッチの語るあの事件の事

マッチがあの事件について語ったのは1990〜91年に週刊明星で連載された「もう一杯分話そうか」とうエッセーの中での事。
このエッセーは1992年に書籍化されている。

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事件があったのは僕の部屋だという事は間違いないし、その点は何を言われても仕方ない。
当時、彼女は精神的にも肉体的にも弱り切っていて、その頃頼れるのは僕しかなかっただろうと思う。

彼女があそこまで追い詰められてるっていうことは想像できなかった。

悩みを聞いたりしてはいたけど、仕事の悩みにしても僕が解決してあげられるような事じゃなく、聞き役に回ったりもしたが、やっぱりそんなに力にはなれなかったと思う。それが残念だった。

救急車を呼んだ時は、これでマスコミに騒がれるという事は冷静に判断できたけど、
マスコミうんぬんよりとにかく彼女の事が心配だった。
彼女の姿を見て、僕はこの子を白紙の状態、何事もなかったように元のままの状態に戻してあげなきゃと思った。

あの事件に関しては、非常に微妙な問題だから加害者も被害者もない。
ただ僕は彼女に元気な元の姿に戻って欲しいと思っただけ。

翌年の彼女の誕生日にお祝いに行ったのも、早く元気に活躍してほしいと思ったから。

ちょっとした言葉からどんどん話だけが膨らんでいっちゃうのは本当に怖い。
報道の恐ろしさは何度も味わってるけど、
事件の原因から経過まで、まるで見てきたみたいに言ったり書いたりするのにはあきれた。

僕自身、世間に誤解を受けるイメージが付いた部分も確かにあると思うが、日本中のひとりひとりに「実はこういう人間です」って話して歩けない。