>>250
中森明菜 心の履歴書

幼い頃の自分――。

病弱だった彼女、いつも熱を出して寝込む。

「お母ちゃん、しょっちゅういってた。『明菜さえいなかったら』って。お酒のむたびに言い出して泣くの。……私、足も悪いんだ。今もそうだけれど。赤ちゃんだった時の筋肉注射のせいで、関節がうまく曲がらないの」

また、幼い頃からの夢のはずであった歌手への夢もこのように述懐している。

「自分からタレントになりたかったわけじゃないの。お母ちゃんが出ろ、出ろっていうから。4人も女の子を産んだから、ひとりくらい、昔の自分の夢を叶えてくれるだろうって思ったんじゃないかな。 私、お母ちゃんに面倒かけてたでしょ、体弱くて。だからお母ちゃんを喜ばせたい一心だった……」
「ただ……お金をかせげるのはタレントしかないって、思ってたけど」
「だって私、本当は保母さんになりたかったんだから」