毎日新聞 11/19(金) 21:07

 大相撲九州場所(福岡)6日目の19日、7場所ぶりに幕内へ復帰した前頭・阿炎が佐田の海をとっくり投げで退け、無傷の6連勝とした。

 押し込まれても、とっさのとっくり投げで逆転勝ち。幕内に返り咲いた阿炎が三役経験者の実力を発揮し、平幕で唯一、初日から白星を並べた。

 34歳の佐田の海をもろ手突きから土俵際に押し込んだが、右腕を手繰られ、引いてしまう。押し込まれながらも、相手の頭を挟んでひねるとっくり投げで白星をつかんだ。

 幕内では2018年秋場所8日目に安美錦が決めて以来の珍手。高校時代にも決めたことがあるという阿炎は「調子がいいからこそ自然に出た。体が動いて、たまたまその技につながった」と手応えを口にした。

 新型コロナウイルス感染対策のガイドラインに違反し、昨年7月場所後から3場所の出場停止処分などを受け、幕下から再出発した。「見ていてくれる人たちが喜んでくれるように、自分は頑張るしかない。一生懸命やる姿を見てもらいたい」と、1年以上かけて復帰した幕内の土俵で、改心した姿を見せられるように努めている。

 海の向こうでは同じ27歳のエンゼルス・大谷翔平が米大リーグのア・リーグ最優秀選手(MVP)に選ばれ、「勝負ということに関しては一緒。同い年とは思えないくらいすごい」と励みにしつつ、「しっかり(体を)ほぐして、動きのいい相撲を取っていきたい」と力を込めた。【滝沢一誠】

https://news.yahoo.co.jp/articles/9a836a23f3eea809d68f62522239b4c026fe3bc8
佐田の海(手前)を徳利投げで破る阿炎=福岡国際センターで2021年11月19日、津村豊和撮影
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