オリコンニュース 11/16(火) 8:40

 今年で25周年を迎えるポッカサッポロのスープ「じっくりコトコト」シリーズ。1980年の誕生から現在までに170のアイテムを発売し、中でもコーン入り缶スープは市場シェア1位を走り続けている。「粒を最後まで飲み切ってほしい」という思いのもと、常に改良を加えてきた同商品。開発の裏にあったたゆまぬ努力と、今後への思いを聞いた。

■缶コーヒーの技術を原点に…粒入りスープの先駆的存在へ

 同社のスープ事業が始まったのは、1980年。創業者の谷田利景氏が、「これからは食の洋風化が進む」と予測し、食品事業を開始した。缶コーヒーの技術を活かし、自動販売機で売れるホットタイプの「缶入りスープ」を発売したのが始まり。

 第1号商品となったのは、コーンポタージュとベジタブルの2種類。当時はまだ粒入りのコーンスープではなかったが、粉末が主流だった市場において、缶タイプは先駆的な存在となった。しかし、コーヒーとは異なり、スープならではの課題もあったという。

「ホット販売を行なうため、自動販売機の中やコンビニエンスストアでの加温什器の中で、商品を一定期間温めることになります。一定の加温条件の中で品質の安定を保つことが難しい課題でした」(担当者)

 一方、当時の国内市場のメインだった粉末スープは、メジャーブランドによる競争が激化。差別化を図るために考案されたのが、「コーン」の粒感をスープに入れるという試みだった。フリーズドライでホールコーンを還元させる技術を用いて1988年に発売した『つぶコーンスープ』は大ヒット。粉末スープでの成功を受け、同年に缶スープでも粒入りが誕生することとなった。

■今でも続く課題「いかに最後まで粒を食べられるようにするか」飲み口に設けた“へこみ”で大きく前進

 反響を呼んだ粒入りの缶スープだが、同時に届いたのは「コーンの粒を最後まで飲み切りたい」という声。缶の底に残りがちな粒を、全部味わいたいという消費者の切なる願いだ。

「発売当初から、『最後まで粒が食べられないのが悔しい』という声を、多くのお客様から頂戴しました。そのため、『いかに最後まで粒を食べられるようにするか』を今日も日々考えています。これまでにも、開け口を広くし、缶タブの傾きも変えるなど、試作を積み重ねています」(担当者)

 ネットでは粒を残さずきれいに飲む独自の裏技が話題なったことも。同社でも公式サイトで紹介もしている。社員の好きな商品でもTOP5がコーンスープであり、コーンスープは同社にとっても思い入れの強い商品。きれいに飲み干してほしいというのは、消費者以上に持っているはずだ。

「現在は、飲み口に設けたへこみにより、とうもろこしの粒が壁に当たりジャンプすることで、飲み口にたまらないようにする工夫がされ、かなり飲みやすくなっていると思います」

 ホットタイプの缶スープはもともと男性がターゲットだったため、缶コーヒーでなじみのあるプルタブを採用。しかし、冷製缶スープは女性ターゲットであったため、プルタブの開けにくさなどの意見を元に現在はキャップタイプに。キャップ型のため、より粒が出やすい形状となっているのも特徴。まだ改良の余地はあるといい、同社の“缶イノベーション”は続きそうだ。

※続きはリンク先で
https://news.yahoo.co.jp/articles/13d31a3f5215ee7fd5274b28e2eaf36b92a5c92c
ポッカサッポロのスープ『じっくりコトコト』ブランドは誕生から25年
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