『葬儀』という言葉が脳裏を過った。するとどうしたことか痛かったアキレス腱にみるみる力が漲ってきた。
カヨはおもむろに立ち上がると全身に力を感じた。
「イケる」力強く呟くと葬儀場へ走った。
タクシーなんてまどろっこしい。今は信じられないほどのスピードを感じる。
程なくして葬儀場に着いたカヨの目に【香典泥棒に注意】と書かれた看板が飛び込んできた。
「しゃらくさい!」と強く呟くと身をかがめ受付の机に近づいて行くのだった。