怪物・松坂大輔41歳に聞いた“大谷翔平27歳をどう見ている?”「とんでもない化け物です。次元が違う」「力と力の勝負をしてみたかった」


平成の怪物・松坂大輔がついにプロ野球人生の幕を閉じた。
甲子園の伝説と衝撃のプロデビュー、WBCでの2大会連続MVPなど輝かしい記録と記憶を残した一方で、野球人生の後半は度重なる手術や怪我で満身創痍の中、「ボロボロになるまで」投げ続けた。

Number1039号『松坂大輔 平成の怪物のすべて』では、引退試合直後の本人インタビューを掲載した。
引退にいたるまでの決断の経緯や理想のストレート、最後までワインドアップにこだわった理由――栄光と苦難の道を歩んだ時代の寵児がその胸中を明かしている。


インタビューの中で「これまでかなわないと思った相手はいるか?」と聞いてみた。

というのも、松坂大輔について証言した歴戦の強打者やライバルとなるエースたちは、勝敗を超えて、松坂大輔という存在に敬意を表し、ときに「絶対に勝てないと思った」と負けを認めていたからだ。

はたして、松坂はしばらく考え込んだ後でこう答えた。

「いるかな? いや、いなかったですね。単純に僕より速いボールを投げる人や尊敬している人、すごい人はいましたけど、かなわないと思ったことはない。かなわないという感情イコール負けを認めたことになりますからね」


“ピッチャー松坂”が“バッター大谷”と対戦していたら…

そんな松坂にとっても、大谷翔平という存在は“別格”のようだ。
平成の怪物の眼には、どのように映っているのか。

「とんでもない化け物です。次元が違う。僕も投げないときにDHで試合に出してもらえていたらバッターのほうも一生懸命に練習したかもしれませんけど、でも彼に関してはレベルが違います。他のピッチャーのことをそんなふうに思ったことはないんですけど、彼はピッチャーとしてもバッターとしても、ということですからね。今は彼以上の存在はいないでしょう。あれだけのまっすぐと変化球を投げて、あれだけ遠くへ飛ばして……」


では、“ピッチャー松坂”として“バッター大谷”と対戦していたら……。

「今の状態でどうやって抑えようかと考えたこともありますし、身体が元気だったらどう攻めたかなとも考えました。たぶん、ストレートで勝負して、それをカーンといかれて、監督に怒られるんでしょうね。ストレートしか待ってないバッターにストレートを投げてどうするんだって(笑)。でも、そういうわかりやすい力と力の勝負を、もう一度、やってみたかった。それはもう、だいぶ前からできなくなっていましたから」


全盛期の松坂と大谷の対決――見てみたかったのは我々だけではないだろう。


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