第39回全日本大学女子駅伝対校選手権大会は、10月31日(日)に宮城県仙台市の弘進ゴムアスリートパーク仙台(仙台市陸上競技場)をスタート、仙台市役所前市民広場をフィニッシュとする6区間38.1kmのコースで開催される。

前回8位までに入ったシード校と、各地区予選を突破した17校、さらにオープン参加の東北学連選抜チームを加えた全26チームが出場し、「杜の都」を舞台に熱戦を繰り広げる大学女子駅伝の日本一決定戦。その優勝争い、シード争いを各校の戦力や今季の大会結果などをもとに、レースの模様を展望する。

優勝争いの中心は、今年も名城大になるだろう。4連覇中の「駅伝女王」が挑むのは、立命大(2011年〜15年)だけが成し遂げたことがある5連覇の偉業だ。4連覇のすべてに最長9.2kmの5区で貢献してきた加世田梨花(現・ダイハツ)がこの春に卒業したが、前回メンバーから抜けたのはその加世田だけ。分厚い選手層は今年も健在だ。

米田勝朗監督が選手たちに課したテーマは、「前回の自分たちが作った大会記録(2時間2分57秒)を超える」こと。いかに自分たちの力を出し切ることに集中するか。それが、他校に付け入る隙を与えない継走へとつながるということだ。その軸となるのが、10000m学生記録(31分22秒34)保持者の小林成美(3年)と、主将の和田有菜、副主将の高松智美ムセンビの4年生コンビ。来年の世界選手権の参加標準記録(31分25秒00)を突破し、今や学生女子長距離界を代表するランナーとなった小林、そして入学以来、年末の全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)との駅伝2冠を撮り続けてきた和田と高松の三枚看板は、超強力だ。

その脇を固めるメンバーも前々回4区区間賞、前回2区2位の山本有真(3年)や、前回4区区間賞の増渕佑香(2年)、5000mで15分44秒13を持つ荒井優奈(3年)ら実績のある選手に加え、谷本七星や五味叶花といった1年生も台頭してきた。最終調整の場だった10月17日の諫早ナイター5000mでは、山本の15分33秒45を筆頭に、高松、和田、小林が15分50秒台、1年生コンビも16分10秒前後にまとめている。

順当にいけば5区は小林。序盤に和田、高松、山本ら当日に調子のいいメンバーが配置できれば、どの区間からでも攻めることができるだろう。中盤に1年生を抜擢できるようなら、来年以降も見据える盤石のオーダーと言える。年々厳しさを増すチーム内競争が選手個々の意識を高め、それがチーム力アップへとつながってきた。長距離区間からスピード区間まで、全方位で対応できる名城大に、今年も死角は見当たらない。

金字塔に向けて揺るぎない名城大を追うのは、前回2〜4位を占めた大東大、日体大、立命大だろう。それぞれのストロングポイントを発揮できれば、頂点へのチャンスはある。
2013年以降の8大会で準優勝7回の大東大は、おそらく5区で待つエースで主将、文字通りの大黒柱である鈴木優花(4年)に、どんな位置でタスキを渡せるかが最大のポイントだ。

1年時から2区、3区、6区で区間賞を獲得してきた鈴木。春先に左脚脛骨を疲労骨折したが、日本インカレ10000mで大会新(32分04秒58)優勝を飾るなど復調した。名城大を追う展開が予想されるが、背中がしっかりと視界に入る位置であれば逆転の芽があるか。そのためには、3000m障害で2年前のドーハ世界選手権に出場、今年の日本インカレでは学生記録(9分41秒43)をマークした吉村玲美(3年)の力走が欠かせない。同じ3年生の山賀瑞穂や今井彩月、エントリー10名中半分を占める1年生が、吉村と鈴木の間をしっかりとつなげば、悲願の初優勝が見えてくる。(一部略)

第39回全日本大学女子駅伝出場チーム
■シード校
名 城 大 23年連続23回目
大 東 大 11年連続11回目
日 体 大 10年連続33回目
立 命 大 32年連続32回目
関  大 14年連続14回目
大阪学大 13年連続28回目
城 西 大 27年連続28回目
松 山 大 14年連続14回目
■北海道
札幌国際大 5年連続5回目
■東 北
東北福祉大 15年連続19回目
石巻専修大 2年ぶり5回目
■関 東
筑 波 大 7年ぶり25回目
拓  大 4年連続4回目
順  大 2年連続28回目
中  大 3年連続30回目
■北信越
新潟医療福祉大 10年連続10回目
■東 海
中京学大 3年連続3回目
中 京 大 3年ぶり35回目
■関 西
大阪芸大 6年連続9回目
佛 教 大 4年連続20回目
関西外大 2年連続7回目
兵 庫 大 2年ぶり2回目
■中国四国
環太平洋大 3年連続4回目
■九 州
福 岡 大 12年連続33回目
鹿屋体大 2年連続17回目
<オープン>
東北学連選抜

月陸編集部 1-.29
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