0001征夷大将軍 ★
2021/10/24(日) 11:00:23.56ID:CAP_USER9https://www.yomiuri.co.jp/hakone-ekiden/news/20211023-OYT1T50169/
23日に東京都立川市で行われた第98回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝=読売新聞社共催)の予選会で、来年正月の本大会に出場する20校が出そろった。明治大の圧勝に終わった予選会を、早稲田大OBでアジア大会男子マラソン銅メダリストの武井隆次さんが解説した。(読売新聞オンライン)
前回本大会シード落ちの雪辱を期し、予選会をトップ通過した明治大の選手(23日、東京都立川市)
明治大は予選会レベルで言えば圧勝だった。タイムに関わる10人のうち、5人が20位以内、7人が30位以内に入っており、2位の中央大との差は4分以上。「そりゃあ、勝つよな」という感想だ。本来であれば落ちるチームではないはずなので、その通りの結果を出したということだ。
予選会の難しさは、個人戦ではなく、チーム戦というところにある。10番以内を走っている限りは自分が遅れてもあきらめるわけにはいかない。そこが普通のレースとは大きく違うところだ。チームとしても予選会に出ていること自体が正月の本大会のために良いことではない。ちょっとしたことで順位が変わるし、戦いが激しすぎるので手を抜くわけにはいかない。
集団走とは言っても、外国人選手も含めたエース級選手、最大3人ぐらいはタイムを稼ぐために先に行かせて、残りの選手でいかに下を引き上げるかというのが予選会の定石になる。ただ、気象条件が影響するので、条件が良ければこういうタイムで行こうと思っていても、さじ加減を変えなければいけない。その辺の監督の戦略が大事になる。
コロナ禍で、2年続けて同じ周回コースだったが、トップの留学生のタイムは昨年よりも1分以上悪かった。去年は雨が降っていたが、風がなく気温も低かった。今年は強風と日差しがあり、よりコンディションが悪く、前半から積極的にというわけにはいかなかったはずだ。集団走自体が、前半から飛ばしすぎてつぶれないための戦略なので、こういう日は後半型の戦略になりがちだ。
5キロでは10人通過順位で上位につけていた立教大が、結果は16位と圏外に沈んだ。上野裕一郎監督は「前半行って、行って、良かった」と言っていたが、予選会の戦いにまだ慣れていないというところを象徴していたようにと思う。
駿河台大が初の箱根切符を手に入れた。入れないかと思っていたが、全体6位の留学生を中心によく頑張った。5キロでは通過順位が5位。15キロでは10位で、11位の専修大とわずか5秒差という際どい戦いだった。昨年は落選した悔しさもあって、予選会突破に目いっぱいの力を注いできた印象だ。
シード校と、予選会突破校とではピークの作り方など調整法は全く違ってくる。例年、予選会出場校がシード権をなかなか取れないというのはそういうところにもある。だが、明治大はスピードランナーをそろえているので、戦力的に見ても正月の本大会でもシード権は取れるのではないか。集団走ではなくたすきをつなぐレースなので、その流れの中で前半に遅れなければ実力通りのレースをすると思う。特に1区が悪いとチームの雰囲気は変わるものだ。
武井隆次 (たけい・りゅうじ)1971年生まれ。東京都出身。早稲田大時代に箱根駅伝で4度区間賞に輝き、うち3度が区間新記録だった。エスビー食品時代は2002年のびわ湖毎日マラソンに2時間8分35秒で優勝。その年の釜山アジア大会で3位に入った。現役引退後はエスビー食品のコーチ、監督を歴任。現在は小学生を指導している。