先日見たドキュメンタリーが面白かった。

宮城県の有名ないちご産地が大震災の津波被害で壊滅した。
土壌が海水を被るとその場所でいちご農家は再開できないのだとか。

地元出身のIT技術者が水耕栽培ならいちご農家を復興できないかと考えて栽培方法を教わりに
いちご栽培を続ける農家を訪ねていくと「毎朝4時に農場に来い。365日休みはないぞ」と言われ
「こんな労働を続けていたら若者は農業を志さないだろう」と感じたのだとか。

水耕栽培で土壌由来の病気や害虫のリスクがなくなり、温度管理や栄養補給も完全自動化が可能になった。
人手を要するのは収穫ぐらいなので、1日3時間程度からでも働けるパートタイムのアルバイトを数十人受け入れて地元に新しい雇用も生まれた。
生産者がするのは自動化された機会の保守や、いちごを間引く摘果やいちごの周りの葉を取り除いて陽当たりを良くする仕事ぐらいになったそうだ。

古くからの農業従事者は「時間と手間をかけた労働が尊い」という意識が強すぎるのではないか。
農業が長時間労働を必要としているのは嘘で、経営者の意識が省力化に向かっていないだけだろう。