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物心ついたときからゲームと付き合い続けてきた筆者が、その長いゲーム歴から最新作から過去の名作までを掘り起こして語り尽くす本連載。今回取り上げるのは、ゲーム業界、競馬業界を大いに盛り上げたスマホゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』。サービス開始からわずか7ヵ月で1000万ダウンロードを突破した本作の魅力とは? 
 ウマ娘の勢いが止まらない。2月24日に正式サービスを開始した『ウマ娘  プリティーダービー』が、約7ヵ月後の9月20日には1000万ダウンロードを突破したことが発表された。

■いつまでもゲームが完成しない「迷走期」も

 サービス開始以来、配信プラットフォームのランキング上位を走り続けるウマ娘だが、決して最初から順調だったわけではない。

 ウマ娘の事前登録は2018年の3月25日に開始され、それに合わせるようにアニメの第1期が放送されたが、開発は難航し、事前登録開始から1年経った頃にプロデューサーが退任するなど、先行きはかなり危うく思われた。

 いつまで経ってもアプリがリリースされない状況に「事前登録○周年」などとネットでは半ば「ネタ」扱いされており、事前登録開始から2年を超える頃には、本当にアプリがリリースされるのかも怪しく、アニメやマンガなどの展開のみで終わるのではないかと思っていた人も多かったはずだ。

 そして事前登録開始から3年が経とうとしていた2021年の2月24日、ようやくウマ娘はスマホアプリとしてのスタートを切ったのである。

 スマホアプリがリリースされる以前、僕がウマ娘に抱いていた印象は「昨今ウケているゲームのごった煮」というものである。

 まずは刀剣乱舞や艦これなどのような人ではない存在を萌えキャラとして描く「擬人化」に、アイドルマスターやラブライブ! のような女の子たちの「ライブ」というのは、もはやありふれていると言っていい。

 さらにいえば競馬の育成ゲームというのも、ダービースタリオンやウイニングポストなどの歴史があるジャンルである。

 そうした既存のゲーム内容の組み合わせであるウマ娘が、どれだけ今の目の肥えたユーザーに受け入れられるのかと注目していたが、フタを開けてみれば実に大成功であった。

 さて、前置きが長くなったがプレイをしてみた感想を。ウマ娘の基本的な流れは、まずは「育成シナリオ」でウマ娘のステータスを向上させたり、スキルを獲得したりして、勝てる馬へと育てていく。


 育成シナリオは育てるウマ娘ごとに目標とするレースが異なっており、期限ごとにレースの着順やファン獲得などのノルマが設定されている。これらのノルマをすべてクリアするか、ノルマをクリアできなくなったところで、ウマ娘の育成は終了。育成が終了したウマ娘は「殿堂入りウマ娘」としてチームを組んで他のプレイヤーと対戦させたりすることができる。

■愛馬をついつい応援したくなる迫力のレースシーン

 まず見た目の部分で凄いなと思ったのは、やはりレースシーンである。

 現実であれば馬が走るターフを、二足歩行の女の子が走るというのは一見大変シュールな光景に思えるが、実際のレースシーンでは、スピード感もウマ娘たちの挙動も違和感はほとんどなく、本物の競馬と見まごうようなしっかりとしたレース展開を見せてくれる。

 ある程度慣れてくるとレースをスキップして結果だけを見ることも多くなるが、それでも育成シナリオ後半の重要なレースは「出遅れしないでくれ!」「スキル、ガンガン発動しろ!」「あー、囲まれてる、コース取りがいまいちだなぁ」などと思いながら、ついじっくりと見てしまう。

 ウマ娘たちのビジュアルやレースシーンなど、しっかりと動く部分に注目が行くかもしれないが、ゲーム性はしっかりと作り込まれた戦略的なゲームとなっている。