10/8(金) 13:07配信
東スポWeb

木村調教師

 JRAの大塚海渡騎手(20=美浦・フリー)がパワハラ被害を受けたとして、元所属厩舎の木村哲也調教師(48)に損害賠償を求めた民事訴訟に関し、裁判所から提示された和解案が8日、成立した。原告側の鈴木和憲弁護士が同日、水戸地裁土浦支部で行われた第6回弁論準備手続きの終了後に明らかにしたもの。

 和解案は、木村調教師が大塚騎手への暴行と暴言を認め謝罪したこと、解決金80万円の支払いに応じたことの2項からなり、原告側は他の請求を一切放棄する。

 これに関し大塚騎手は書面によるコメントを自身の署名入りで発表。和解に応じた理由として「裁判所から提示された和解条項に、木村調教師が私に対して行った暴言・暴力について謝罪するという内容が盛り込まれていたことが一番の理由です」とし、受け取った和解金は全額寄付する考えを示した(全文は写真を参照)。

 同弁護士は「原告本人が和解成立に至るまで、しっかりした気持ちで裁判に臨んだことがよくわかります」と話したうえで、木村師側の謝罪はあくまで指導の最中における暴言・暴行に対する謝罪であって、それがパワハラかどうかの法的評価は今回はされていないとし、「原告によると競馬学校(騎手課程)在学中から暴言・暴行があったということですから、JRA(日本中央競馬会)が騎手を育成する過程の中であるのなら、JRAとしての対応の改善を切に望むのが代理人の思いです」との私見を述べた。

 被告の木村調教師は刑事裁判により暴行の罪で土浦簡易裁判所から略式命令を受け、7月27日に罰金刑(罰金10万円=すでに納付済み)が確定。JRAより令和3年7月29日から10月31日まで3か月の調教停止処分が科せられている。
 また、大塚騎手の父で美浦トレーニングセンターにて調教助手として勤務する大塚哲郎氏は、現在の同騎手の状況について「今のところJRAの医師による許可が出ていないので、トレセンや競馬学校などで競走馬に乗ることはできませんが、乗馬には乗っています。体もほとんど大丈夫なのですが、(頭部など)見えないところの不安もありますので、それがなくならないと安心はできません。今は許されている範囲で活動しています」と話した。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/611eb038b26ad1ffbc82ef2b2872c8adc763462c