最年少三冠としての初戦は黒星だった―。藤井聡太三冠(19)=王位・叡王・棋聖=は17日、大阪市の関西将棋会館で指された第47期棋王戦挑戦者決定トーナメントで斎藤慎太郎八段(28)に109手で敗れ、ベスト8進出を逃した。

 豊島将之竜王(31)に挑戦する第34期竜王戦七番勝負の開幕が10月8日に迫る中、棋王戦敗退により藤井三冠の「年度内六冠」の可能性は消滅した。本戦入りを果たしている第71期王将戦は、9月27日に挑戦者決定リーグ1回戦・糸谷哲郎八段(32)戦を迎える。

 盤上は先手・斎藤八段の誘導で角換わりに進むと、互いの研究がぶつかり合う大激戦となった。本局に懸ける意気込みがその対局姿からもにじみ出ていた斎藤八段が中盤でペースを握ると、藤井三冠の勝負術にも冷静に対応し、きっちり寄せ切る会心譜となった。

 藤井三冠は「途中からずっと苦しい将棋でチャンスを作れなかった。実力をつけて来期頑張りたい」と敗戦の弁。過密スケジュールの影響については否定し「これからも対局が続くので体調に留意していきたい」と語った。持ち時間は4時間で、消費時間は斎藤八段3時間57分、藤井三冠3時間59分。終局は午後7時52分だった。

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