とんねるずの木梨憲武(59)がいよいよ地上波レギュラーで復活する。10月24日スタートの「〜夢のオーディションバラエティー〜Dreamer Z」(テレビ東京系)でMCを務めるのだ。18年3月に「とんねるずのみなさんのおかげでした」(フジテレビ)が終了して以来、木梨は地上波のレギュラーは持たなかった。それにしても、なぜテレ東なのか? 

 新番組スタートに際して、木梨はこうコメントしている。

《この番組から新しいスターたちが誕生するオーディション番組!!  全力で応援させて頂きます》

 彼が真面目にコメントしているのも珍しいが、何よりオーディション番組というのが意外だ。民放プロデューサーが言う。

「新番組の放送枠は、かつてモーニング娘。を輩出したオーディションバラエティ『ASAYAN』を放送していた日曜21時の枠です。その系譜を受け継いだオーディション番組になるようです。チーフプロデューサーは『モヤモヤさまぁ〜ず2』の“伊藤P”こと伊藤隆行さんです」

 現在、日曜21時に放送されている「モヤさま」が、10月から土曜23時枠へ移動するのはこのためか。テレ東はさまぁ〜ずよりも木梨を取ったということか。

「『モヤさま』の枠移動は今回が7回目ですからね。しかも土曜早朝にはスピンオフ番組『あさモヤさまぁ〜ず2』まで放送するといいますから、どちらを取ったというわけではないのでしょう。ただ、テレ東は、ずいぶん気合いを入れて木梨さんを起用したことは間違いないでしょう」

 木梨は再出発になぜテレ東を選んだのだろう。とんねるずの頃から、それほど縁があったとは思えないが。

石橋くんと木梨くん
「実はとんねるずとテレ東の縁は深いんです。なにより、まだ素人時代の石橋貴明(59)と木梨が初めてコンビで出演した番組こそ、テレ東の『ドバドバ大爆弾』(当時・東京12チャンネル)ですからね。テレ東からとんねるずが生まれたと言ってもいいほど」

「ドバドバ大爆弾」(79年10月〜81年3月)は、まだB級タレントだった所ジョージが初めてMCを務め、一般からペアの参加者を集い、一芸披露とゲームで最高賞金100万円獲得を目指すという素人参加番組だった。

 80年3月、高校卒業時に出場したのが“石橋くんと木梨くん”だったのだ。

「当時、石橋さんは『TVジョッキー』(日本テレビ)の人お笑い勝ち抜きコーナー“ザ・チャレンジ”に出演してチャンピオンになったりしていましたが、コンビでの活動はなかった。彼が高校の卒業記念にと、木梨さんを誘い、コンビ結成のきっかけになったのが『ドバドバ』だったワケです」

 ちなみに“石橋くんと木梨くん”は、オーディションで100組近い参加者の中から、唯一勝ち残って出場したという。

ギャラが高すぎた
「2人はモノマネを披露して72万円(一説には73万円)獲得の高評価を得ましたが、石橋さんがボールを投げて障子の紙を破るゲームに失敗。賞金獲得ならず、という結果に終わりました。その後2人は、とんねるずとしてデビューし、『お笑いスター誕生!!』(日テレ)などに出演し、お笑いの頂点へと駆け上がっていったのです」

「みなおか」はじめ、多くのテレビ局で冠番組を持ったとんねるずだが、テレ東に出演した記憶はない。

「彼らを使いたいと思った時には、テレ東の制作費ではギャラを払うことができなかったのでしょう。『みなおか』でのギャラは、2人で1000万円(企画料込み)と言われていましたからね。テレ東といえば、その昔、売れる前のビートたけしさんを『凸凹大学校』(77年10月〜82年12月)のレギュラーにしたものの、あっという間に売れてしまった。当時の所属事務所からギャラの50万円アップを申し入れられて、たけしさんを切らざるを得なくなったという話があるほどですからね。とんねるずの場合は、特番で出たことがあるくらいです」

 それが「ドバドバ」以来、32年ぶりのテレ東出演となった「ハレバレとんねるず 略してテレとん」(12年9月、13年3月)という番組だ。

攻めのテレ東
「コンセプトは『ドバドバ』と同じで、収録場所も当時と一緒。これに賛同して、とんねるずは出演を快諾したと言われています。実は、この番組のプロデューサーこそ、伊藤Pだったんです。12年9月に放送された第1弾の視聴率は7・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)と、テレ東にとって社内の壁に貼り出しが出るほどの高視聴率でしたが、半年後の13年3月に放送された第2弾は3・9%に。以来、再びとんねるずがテレ東に出ることはありませんでした」
(以下リンク先で)

デイリー新潮2021年9月17日 掲載
https://www.dailyshincho.jp/article/2021/09171100/