ヨーロッパの舞台で長くプレーし、日本代表としてもワールドカップを戦った選手たちが挑戦に区切りをつけ、Jリーグへ復帰するケースが今夏以降に相次いでいる。
 2018年のロシア大会代表組で言えばDF酒井宏樹(31・浦和レッズ)を皮切りに、FW大迫勇也(31・ヴィッセル神戸)、FW武藤嘉紀(29・同)、MF乾貴士(33・セレッソ大阪)、そしてDF長友佑都(35・FC東京)の5人が日本へ戻ってきた。
 長友を除く4人がすでに新天地でデビューし、後半戦に入った今シーズンを盛り上げ、各クラブのファン・サポーターを喜ばせている。日本サッカー界の歴史を振り返っても前例のない、レジェンドたちの復帰ラッシュの背景には何があるのか。

長友、酒井、大迫、乾の共通点
 最も短い期間で武藤の6年。逆に最長では長友の11年。Jリーグで結果を残し、ヨーロッパの戦いへ挑んだ選手たちが長い歳月を超えて、相次いで日本へ戻ってきた。
 日本代表として直近のワールドカップである3年前のロシア大会に出場。次回のカタール大会を目指す森保ジャパンでも引き続き主軸を担ってきた酒井、大迫、長友と、2019年のアジアカップなどで招集歴がある乾の4人には実は共通点がある。
 いずれも年齢が30歳を超えている。今年7月に29歳になった武藤を含めて、かつて香川真司(PAOK)が言及した、ヨーロッパにおける年齢の“掟”をどうしても思い出す。
 香川は2018-19シーズンにドイツのドルトムントで実質的な構想外になり、出場機会を求めてトルコのベシクタシュへ期限付き移籍した。逆風にさらされ続けたシーズンを、その年の3月で30歳になった自身の年齢と紐づけながらこう語った。
「ヨーロッパでは特にシビアだと感じさせられる現実を見せつけられた1年でした」
 新陳代謝の激しいヨーロッパでは、クラブ側から向けられる視線が30歳を境に一気に厳しさを増す傾向があると、スペイン2部のサラゴサをへて、いま現在はギリシャのPAOKでプレーする香川は強調していた。
もちろん37歳のMF長谷部誠(フランクフルト)や38歳のGK川島永嗣(ストラスブール)のように、年齢に関係なくヨーロッパでプレーし続ける選手もいる。ただ、乾はエイバル、長友はオリンピック・マルセイユを退団した夏場以降は無所属の状態が続き、武藤も8月に入ってニューカッスルと双方合意で契約を解除していた。
 クラブに所属していないフリーの状態であれば違約金は発生しない。昨年来の新型コロナウイルス禍で各クラブが大幅な減収を余儀なくされているなかで、違約金なしで獲得できる状況は乾、長友、武藤の移籍成立と決して無関係ではないだろう。
 対照的に酒井はマルセイユと、大迫はブレーメンとともに来夏まで契約を結んでいた。特に酒井は契約満了後も「ヨーロッパで探せば移籍先は出てきたと思うし、正直、まだヨーロッパでやれる自信もありました」と年齢の壁を感じていなかった。
 その一方で「しっかりとプレーできるうちに日本へ帰りたい、という気持ちを単純に抱いていた」と胸中を明かした酒井は、こんな言葉もつけ加えている。
「日本のなかでも自分にいい意味でのプレッシャーや責任感、緊張感をもたらしてくれるクラブを探していました」

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https://news.yahoo.co.jp/articles/40ed5669c31c74232acfcbc193d52aae4c8d3086