文春オンライン8/30
https://bunshun.jp/articles/-/48279

《白金高輪硫酸事件》25歳大学生容疑者が起こしていた“母親馬乗り事件”と不可解発言「僕の彼女は宇宙人しかいないかな」 から続く

「ニュースで顔と名前が公開された時は唖然としました、あの花森だって。農学部の彼だったら知識を持っている分、硫酸の怖さは誰よりも分かっているはずなのに」

 ショックを隠せない様子でこう話すのは、8月24日に東京・白金高輪駅で不動産会社に勤める会社員男性Aさん(22)に硫酸をかけた傷害容疑で逮捕された大学生・花森弘卓(25)容疑者の高校時代の同級生だ。

 30日午前8時すぎ、上下グレーのスウェットで高輪警察署から姿を現した花森は大勢の報道陣に囲まれながら検察庁に身柄を送致された。被害者は琉球大学時代の映画サークルに属していた花森の後輩だった。

「花森容疑者は大学時代に後輩の男性の態度が悪かったという趣旨の供述をしていて、被害を受けた男性も、以前にため口を使ったことでトラブルになったことがあると説明しています。沖縄県内の潜伏先は、学生時代に行きつけだった飲食店の店主に紹介された年下男性宅でした。今年4月にも花森容疑者は沖縄を訪れていて、その男性と一緒に昆虫を見にいったようです」(捜査関係者)

高校1年で留年、「うるせぇ」と怒鳴ることも
 静岡県静岡市で育った花森は、地元の小中を卒業した後に入学した県内の私立高校で、1年生時に留年している。前出の同級生は花森の「2回目の1年生」で一緒になり、卒業まで3年間の学生生活を共にした。

「僕たちが高校に入学した年に、花森が2年生に上がれずに同じクラスになりました。留年の理由は聞いたことはありませんが、すぐクラスにも溶け込んでいました。年上ということをあまり感じさせず、年下のクラスメイトたちからも『花森』と普通に呼び捨てでした。どちらかと言うといじられキャラで、たまにいじりがエスカレートした時は『うるせぇ!』とか怒鳴ることもありましたけど、それ以上のトラブルも覚えていません」

 友人もでき、高校時代の花森は充実した生活を送っていたようだ。

「学校終わりにゲーセンで太鼓の達人をやったり、昼休みにバスケをして遊んだり、ちょっと変わっているけど普通のおとなしいやつという印象でした。だから高3で生徒会に立候補して役員になった時は驚きましたよ」

事件を起こす5日前、花森は行きつけの喫茶店で『育てていたカブトムシが2万円で売れたんです!』と喜んでいるのが目撃されているが、高校時代から金銭への執着は強かったという。

「自分で育てたカブトムシやクワガタは高校時代から売っていました。『ヤフオクで昆虫がいい値段がついた』という話をよくしていましたね。昆虫以外にも手広く転売をしていて、当時流行っていた『ラブライブ!』の映画が公開された時も、週替り特典の色紙やメッセージカードなどを『これは売れるかもしれない』と言って毎週映画館に通っていました。他の友人は1回しか行かなかったので、変なやつだなとは思っていました」

たった1人で体育館のステージでヲタ芸
 そして、同級生たちの間で花森のイメージを決定づける出来事が高校3年時の文化祭で起きた。

「体育館のステージの自由参加の出し物に立候補して、花森がたった1人でサイリウムを使って初音ミクの『千本桜』のヲタ芸を披露したんです。会場はワ―っと盛り上がり、本人も満足そうな顔をしていました。ボカロやアニソンが好きで2年生くらいからヲタ芸にハマって動画を見ているのは知ってましたけど、そんな目立つことをするタイプではなかったのでみんな驚いていました。他の高校のヲタ芸仲間と集まって駿府城公園でよく練習していたようです」

 趣味の世界では社交的だったが、学校内の人間関係は特に女性に対しては奥手だったという。

「花森はヲタク気質を隠す様子もなくて、夏休みに秋葉原に行ってメイドカフェに行ったことを自慢げに話していました。学校で女子と仲良くなるどころか避けているくらいで、『3次元の女には興味がない』と公言していたのを覚えています」

「3次元の女には興味がない」と豪語していた花森だが、高校卒業後に通っていた予備校時代に女子生徒に対して執着心を発揮してトラブルを起こしていたことが取材でわかってきた。(#4へ続く)

8月30日(月)22時からの「 文春オンラインTV 」では本件について担当記者が詳しく解説する。

《白金高輪硫酸事件》花森容疑者が黒髪ロングの女子高生に”ストーカー行為”の過去 誕生日にひざまづいてプレゼントしたのは赤い薔薇とヤドカリの”つがい” へ続く