【続き】


横で聞いていたAさんが再び口を挟む。
「そもそも、俺はこんな状態になっているって新潟にいる兄貴や、北海道にいる姉貴に言えねぇよ。家族もいて、子どももいるんだから」


生活保護という選択もあるはずだが……。

「確かに月15万円もらったら、楽だと思う。でも、俺みたいな人間が国の世話になんて、とてもなれない。死ぬこともできないし、だったら、どう生きようかって考えてこの生活をしてるのよ。なにより縛られるってのは向いてない。金を稼ぐのも楽ではないし、高校生に殴られて骨を折ったことだってあったけど、自由がいいのよ」(Cさん)

では、DaiGoが“ホームレスは必要ない”“命は平等じゃない”と発言したことについては、どう思うのか。この発言を知らなかった彼らに説明すると、

「そんなこと言われたって、ホームレスはいるんだからなぁ……」とAさん。

Cさんは、「税金も払ってないし、俺たちは“人間”じゃないのかもなぁ。犯罪行為で金を稼ぐ暴力団や半グレと一緒さ。空き缶を盗んでいるんだから。背負う罪の重さは違うけど、そう言われても、しょうがない気はするけどな」としたうえで、こう続ける。

「迷惑はかけていないとは言わない。だけど、必要ないって、死んだほうがいいってことだろ。誰かにそこまで言われる筋合いはないよ。死んだほうがいいなんてことは、自分が一番わかっていること。だからこういう生活をしているんだから」(Cさん)

そう話すと、河川敷を見つめ、手にしたワンカップをぐびりとあおった――。

それぞれの事情を抱えているホームレスたち。
自称“月収9億円”のDaiGoでも、彼らをバッサリ切り捨てる権利なんてないのだ。



【了】