2021年8月16日 17時44分
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 主演映画『MINAMATA−ミナマタ−』の北米での公開日がいまだ決まらないことを受け、ジョニー・デップが「(自分は)ハリウッドでボイコットされている」と現在の心境を The Sunday Times に語った。

 『MINAMATA−ミナマタ−』は、日本における水俣病の惨事を世界に伝えた、写真家ユージン・スミスとアイリーン・美緒子・スミスによる写真集を基にした映画。ジョニーは製作及び主演を務めている。昨年2月のベルリン国際映画祭でお披露目後、MGMが同年秋に北米配給権を獲得したが、直後にジョニーは自身のDV疑惑をめぐる名誉毀損訴訟で敗訴。そのことが影響して同作の公開日が決まらないほか、人気シリーズ『ファンタスティック・ビースト』からも降板させられるなど、ハリウッドで苦境に立たされている。

 先日には『MINAMATA−ミナマタ−』のアンドリュー・レヴィタス監督が、MGMは同作を「葬ろうとしている」と批判して話題を呼んだが、ジョニーも同じ気持ちのよう。ジョニーは「僕たちはあの人たちの目を見て、僕たちは搾取的にはならないと約束した。この映画は、敬意を持って作られると。僕たちはその約束を守ったと信じている」と実際に起きた悲劇を題材にしているだけに作品に真摯に向き合ったと語り、「だが、このプロジェクトに後から加わってきた人たちも約束を果たすべきだ」とMGMは同作を北米公開すべきだと主張。

 「人々の心に触れる映画というものが存在していて、この映画は水俣の人々、そして同じような経験をする人々に影響を与えるんだ。そんな映画がなぜ(公開されない?)……ハリウッドで僕がボイコットされているから? 過去数年間にわたって不愉快で厄介な状況にいる一人の人間、一人の俳優のせいなのか?」と訴えた。ジョニーはまた、今後について「真実を明らかにするため、必要な場所に向かっているところだ」とも語っている。

 ジョニーは最近、サンセバスチャン国際映画祭とカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭というヨーロッパの二つの映画祭で功労賞が授与されることが決まるも、DV関連の女性支援団体などからは抗議の声が上がっていた。『MINAMATA−ミナマタ−』は9月23日日本公開。(編集部・市川遥)