※2021.07.27 REALSPORTS

13年ぶりにオリンピック種目として復活したソフトボールで連覇を狙う日本代表は27日、数々の国際大会で覇権を争ってきたアメリカ代表と金メダルを懸け、決勝を戦う。熱戦を繰り広げてきた予選ラウンドで、ファンの間で大きな話題となったシーンがあった。それが「上野由岐子の金属バットへし折り」と「1死三塁からの連続故意四球」だ。また近年野球界で「投げ過ぎ」問題が取り沙汰されているが、「上野の肩肘は大丈夫なのか?」。シドニー五輪のソフトボール銀メダリストで、現在は淑徳大学で監督を務める増淵まり子氏に解説してもらった。

(取材・文=中島大輔、写真=Getty Images)

野球と「似て非なる」魅力を体現するソフトボール日本代表。話題の“あれ”を聞く
3大会ぶりに正式種目として行われている東京五輪で、7月27日夜8時、女子ソフトボール日本代表が決勝戦に挑む。相手は国際舞台の頂上決戦で何度も激突してきたアメリカだ。

ここまで予選ラウンドの5試合は、実に見どころが多かった。宇津木ジャパンがソフトボールの魅力として体現しているのが、野球とは「似て非なる」部分といえるだろう。

ソフトボール独特の見どころとして、よく指摘されるのがスピーディーな守備だ。実際、7月26日のアメリカ戦で日本は世界トップレベルのナイスフィールディングを連発した。ショートの渥美万奈は三遊間深くのゴロを逆シングルで捕球し、素早い送球でアウトにしている。5回裏、相手の送りバントに内野陣が猛ダッシュをかけ、投手→遊撃手→一塁手と転送してダブルプレーに仕留めたプレーにはソフトボールの面白さが凝縮されていた。

日本が見せる好守備の背景について、シドニー五輪日本代表として銀メダルを獲得した増淵まり子氏(淑徳大学女子ソフトボール部監督)が解説する。

「日本の守備には“見えないファインプレー”が非常に多くあります。アメリカ戦を見ていて、『この投手がこの場面で投げたら、こういう打球が来る』と野手陣はみんな分かっているんだなと感じられましたね。合宿を積み重ね、お互いを信頼し合っているからこそできる守備です」

プロ野球ファンを「たまらん」とほれぼれさせる好守備を連発する遊撃手の源田壮亮(埼玉西武ライオンズ)は、小学生時代はソフトボールに熱中していたことが知られている。ソフトボールでは小さなミスが命取りになるため、自然と華麗なグラブさばきや素早い送球が養われたのだろう。

メダリストはどう見た@:相手の金属バットをへし折った上野由岐子の投球
オリンピック史上初の無観客開催となっている今回、テレビ観戦するファンはSNSに投稿して楽しんでいる。その中で、ソフトボールで話題になったシーンも少なくない。

とりわけ“衝撃”として広がったのが、7月25日のカナダ戦の2回1死、39歳になったエース上野由岐子が相手打者の金属バットをへし折った場面だ。それだけ球威のある球を投げているのだろうかと前出の増淵氏に聞くと、こんな答えが返ってきた。

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