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女優の広瀬すず(23)が公園でひとり駆けっこのスタートを切り、広瀬のこんなナレーションがつく。

「どんな世界になっても、スポーツは私たちを夢中にさせる。スポーツが私たちに希望をくれる。分かち合った感動が私たちの明日を変えていく」

 東京五輪・パラリンピックへ向けた三井不動産の新TVCM「みんなで変わろう」編(写真)だが、これに限らずどのCMや広告を探しても、そこに五輪の文字はなく、一見すると何のCMなのか判然としない。広告代理店関係者が嘆息してこう打ち明ける。

■苦肉の策

「オリパラ開催を大々的に打ち出すわけにいかないなかで考案した苦肉の策。東京五輪とのCMをテレビで流したら、少なくない消費者が西村大臣のあの悪相を想起しかねない。世間の空気として、いまやオリパラは緊急事態宣言とセットでとらえられ、宣言と同様、強引に開催するというのであれば、もう、早く終わってくれという気持ちしかない。開催までカウントダウンという現在も反対論が根強く、楽しみという声はどこからも聞こえてこないのですから、話になりません」

政府の喧伝していた経済効果の恩恵とやらも、無観客では会場でのサンプリングやイベントも開催できず、スポンサー企業にはうまみもない。

「あとは日本選手のメダルラッシュを期待して、ヒーローやヒロインを出演させるCM制作やイベント開催などは当然考えているでしょう。ただし、通常ならば祭りの後の寂しさで、余韻を楽しみたくなるところ、やっと終わったこれで解放されるという、重荷をようやく下ろす感じになる。となればメダルの効果も半減。開催後のCMもイベントもさほど効果は望めない。政治やコロナと五輪を一緒くたにしてしまった政府の失策ですよ」