このまま強行されるのか。

 東京五輪・サッカー男女の試合会場、宮城スタジアム(利府町)で最大1万人を動員する件について、宮城県の村井知事は13日、改めて「特に変更はない」と予定通り有観客で開催する方針を示した。

 県医師会、仙台市医師会などは12日に、人流増加などの懸念から県に無観客とする要望書を提出。県や利府町には数百件の苦情電話やメールが殺到し、仙台市の郡市長もこの日、五輪組織委に無観客を要請した。

 21日の五輪サッカー開幕まで約1週間。無観客を求める声は封殺されそうな気配だが、その一方で、プロ野球は17日のオールスターで仙台市の楽天生命パーク宮城で収容人数の50%となる1万5600人を上限に動員して開催するほか、24,25日の両日は東京五輪日本代表が同じく最大50%の観客を入れて強化試合を行う。五輪サッカーの10試合と比べると試合数は少ないものの、プロ野球は国内で最も多くの観客動員力を誇るスポーツ。10日からの楽天対西武の2連戦にも楽天生命パーク宮城には計2万4881人が集まった。人流を呼び込むという意味ではむしろ、野球の方がリスクは高いかもしれない。

■五輪とプロ野球とでは置かれた立場が全く違っていた

 しかし、県のスポーツ振興課に球宴や強化試合の開催について問い合わせたところ、「13日時点では球宴や代表の強化試合について観客数の変更などは議題に上がっておらず、直接、賛成、反対などのご意見はいただいていない」とのこと。五輪とプロ野球とでは置かれた立場が全く違うようだ。

 宮城県医師会や仙台市医師会に見解を求めると、「要望書関連の取材は一切お断りしています」との回答だったが、地元のメディア関係者はこう指摘する。

「仙台市長が無観客を言いだしたのは再選を目指す8月1日の市長選挙を見据えたパフォーマンスだ、なんて声もあります。五輪サッカーはJリーグの感染対策を参考に行うそうだが、五輪はプロ野球やJリーグとは違い、外国人関係者がやって来る。にもかかわらず、組織委は県内に何人の五輪関係者が滞在するかを明確にしておらず、GPSによる行動管理にも及び腰。東京では早速、外国人関係者が外で飲み歩いた上にコカインをやったとして捕まった。欧米のロックダウンくらいの強制力がなければ、好き勝手やるのは目に見えている。県内がコロナの無法地帯に化すことを恐れているのです」

 野球はいいけど五輪はダメなのは、IOCや組織委への不信感が根底にあるということだろう。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c769f22adc1908c2c9503a273212a8df6deb2f1c