2021年6月30日
https://myjitsu.jp/enta/archives/92210

呪われた五輪≠ニ揶揄され、中止を望む声も多い東京オリンピック。イメージアップを図るためなのか、『日本オリンピック委員会』(以下:JOC)は意欲的にツイッターを更新している。しかし、アニメキャラクターにオリンピックを礼賛させるツイートを行ったところ、ネット上で激しいバッシングが生じているようだ。

騒動のきっかけとなったのは、「JOC」公式アカウントが6月26日に投稿した《満月のように美しいメダルが、みんなの胸に輝きますように。#がんばれニッポン》というツイート。オリンピック仕様のブーツを履いた『セーラームーン』のイラストが添付されており、《#キャラクター応援団 #スーパーセーラームーン #オリンピック #Tokyo2020》といったハッシュタグも合わせて投稿されていた。

いわば「セーラームーン」にオリンピック礼賛のメッセージを込めたツイートと言えるが、ネットユーザーからは《大好きなセーラームーンがオリンピックに汚されたような気持ちになる》《人間の盾ならぬキャラクターの盾作戦だ。ほんとオリンピックは非人道的だな》《最悪… 幼き頃の憧れのアニメキャラを国力のための一時的な手先として使うの… 心が死ぬ》《我々は月に変わってお仕置きされるべきなのは政府やJOCだと思っているところ、JOCは感染拡大促進で市民にお仕置きしようとしている》《セーラームーンはそんなこと言わない》といった怒りの声が噴出している。

炎上は当然の結果? 関わるだけで延焼する東京オリンピック

お祭りムードだったコロナ以前ならともかく、現在はオリンピック開催に対して多くの人々がヘイトを溜めている状況。アニメキャラの利用によって反感を買ってしまうことは、容易に想像できるはずだ。それでもこのツイートを決行してしまうあたり、「JOC」は大衆の感覚から大きく逸脱しているのかもしれない。

当初から「JOC」はオリンピックを通して、日本のサブカルチャーを世界に発信することを予定していた。その一環として行われているのが、「キャラクターデザインシリーズ」と称した国民的アニメとのコラボだ。同企画には、今回問題になった「セーラームーン」の他に、『ONE PIECE』や『ドラゴンボール』といった人気タイトルが名前を連ねている。しかし「セーラームーン」とコラボしたツイートの反響を見るかぎり、今後もアニメ関連の企画を行うたびに炎上リスクが生じるだろう。

そのほか注目を集めていたのは、テレビアニメ『機動戦士ガンダム』を使った『G-SATELLITE 宇宙へ』という企画だ。これはガンダムとシャアザクのプラモデルを搭載した超小型の人工衛星を宇宙空間に放出し、オリンピックへの応援メッセージを発信させるというもの。しかし昨年人工衛星が打ち上げられたことが報じられて以来、何の音沙汰もない。もし続報が届いたところで、ファンたちはもはや歓迎ムードではないだろうが…。

さまざまなアニメとのコラボを控えている東京オリンピック。版権元は炎上を避けるために、今からでもコラボの中止を申し出た方がいいのかもしれない。