0001征夷大将軍 ★
2021/06/28(月) 20:59:11.21ID:CAP_USER9https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/othersports/rikujo/2021/06/27/post_15/
箱根駅伝の前哨戦ともいえる全日本大学駅伝への出場権をかけた関東地区の推薦校選考会。参加は20校。レースは10000mに1組2名ずつが出走し、4組8名の合計タイムで順位が決まる。
昨年のレースで出場権を得られなかった強豪校が集うなか、今シーズン好調を維持し、9年連続で全日本大学駅伝出場を決めたのが中央学院大だ。
1組目、中央学院大は松島匠(3年)、伊藤秀虎(ひでとら/2年)が出走した。
レースは国学院大の中西大翔(3年)が飛び出し、そのまま独走。第2集団が大きな塊となるなか、松島と伊藤は冷静にレースを進めていく。
松島は「前夜、レースをイメージしていたら緊張して......ちょっと怖くなりました」と語っていたが、落ち着いたレース運びを見せて5位でフィニッシュ。
「監督から人をうまく使って『先頭から10秒以内で』という指示を受けていました。それはできなかったんですけど、10位以内を狙っていたので、最低限の仕事は果たせたと思います」と、松島は安堵の表情を見せた。伊藤も9位と好走し、チームは1組目終了時点で総合2位と上々の滑り出しを見せた。
しかし2組目で、昨年の箱根予選会での悪夢を彷彿させることが起こってしまう。吉田光汰(4年)が5キロを越えたところで遅れ始めてしまったのだ。
「1キロで足に違和感を感じて、3キロぐらいからきつくなって。どうしようと思いながら前に出る力を極力使わないようにしたんですけど、どんどん下がっていってしまった。練習はしっかりできていましたし、調整もうまくいっていたんですけど......」
川崎勇二監督から「1秒が大事だ」という声がかかり、吉田も頭では理解していたが、体がついてこなかった。
ただ、もうひとりのランナー川田啓仁(3年)は、国学院大の木付琳(きつき・りん/4年)が6キロ過ぎから前に出ていくなか、粘り強くついていった。
「(木付を)マークしていたのですが、思った以上に早くて......このままついていったらやばいと思い、自分のペースに戻して粘ることを最優先して走りました」
川崎監督から「吉田が離れている。しっかり稼げ」という檄が飛ぶ。周回遅れになった吉田を抜いた時に表情が見えたが、かなり苦しそうだった。その分、「自分が......」と奮い立たせた。
川田にはもうひとつ頑張らなければいけない理由があった。昨年の箱根駅伝予選会で力を発揮できず、10位の専修大に37秒差で敗れ、出場を逃した。
「予選会で自分は設定タイムよりも1分以上遅くて、そのせいで出場を逃してしまった。それが悔しくて、今回はなんとしても......という思いから、しっかり調整してきました」
川田は8位に入り自分の役割を果たしたが、吉田は40位に終わり、この時点で中央学院大は総合12位に後退した。
そんな嫌なムードを払拭したのが、3組で走った武川流以名(ぶかわ・るいな/3年)と主将の小島慎也(3年)だった。武川は覚悟を持ってこのレースに臨んだ。
「参加選手のなかで自分と小島は持ちタイムが上位のほうでしたし、前の組で吉田さんが失速したので、小島に『トップ争いするぞ』と言ってスタートしました」
小島も巻き返しを誓ってスタートした。
「タイム差もあり、順位も下がってやばいなと思ったんですが、まだ自分らを含めて2組あるし、あきらめずに武川としっかり稼ごうと思っていました」
レースはふたりとも先頭集団に入り、武川は冷静にレースの状況を把握しながら走っていた。
「途中から樋口(翔太/日本大3年)が引っ張るだろうなと思っていました。あとは国学院大のふたりが仕掛けるタイミングを見ながら、余裕を持って走ることができました」
その言葉どおり、6キロで樋口が先頭に立つと、そのあとを国学院大の平林清澄(1年)らがついていき、そのうしろに武川と小島が続いた。
8キロ過ぎで平林が飛び出すと、それを追うように武川、小島も前に出た。そして最後のホームストレートに入った瞬間、小島と武川が猛烈なラストスパートを見せ、平林を差し切り小島が1位、武川が2位でフィニッシュした。
「ラスト100mで『抜かすぞ、一緒にいこう』と武川に声をかけました。いつもならあきらめていたかもしれないですけど、今日はそういうわけにもいかないので、しっかりギアを上げて走ることができました」
小島は満足そうな表情を見せた。
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