テニスの4大大会「全仏オープン」(パリ)の女子シングルスで初戦突破した世界ランキング2位・大坂なおみ(23=日清食品)が試合後の会見を拒否したことで罰金1万5000ドル(約165万円)が科せられた。

 大坂は大会前に自身のツイッターで「アスリートの心の健康状態が無視されていると感じていた。自分を疑うような人の前には出たくない」と会見拒否を表明。この日の1回戦勝利後、コート上のインタビューには応えたが、予定通り会見には姿を見せなかった。

 大会主催者は「大坂に再考を求めたが、交渉は失敗に終わった」としている。全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン選手権、全米オープンのテニス4大大会は共同で大坂へ手紙を送付。「大坂選手に対して義務を果たさなかった場合の影響、ルールがすべての選手に平等に適用されるべきであることを再認識してもらったが、大坂選手は契約上の義務を果たさないことを選択した」(主催者)。

 これにより行動規範の第3条に基づき、大坂には1万5000ドル(164万7000円)の罰金を科すことを決定。主催者は「グランドスラムのレギュレーションの中核をなすのは、試合の結果がどうであれ選手がメディアとの関わりを持つという責任。この交流により、選手とメディアの双方がそれぞれの視点を共有し、選手が自らのストーリーを語ることができる」との見解を公表。

 さらに「メディアはこのスポーツの発展と成長、そして個々の選手のファン層の拡大に大きく貢献しています。大坂選手には、大会期間中にメディアへの義務を無視し続けるとさらなる行動規範違反につながる可能性があることをお伝えしました」としている

 違反を繰り返すと、大会からの退場(行動規範第111条)や、より多額の罰金や将来の4大大会出場停止といった厳しい制裁を受ける可能性も示唆。その上で主催者は「残念ながら、他の選手が約束を守っているにもかかわらず、一人の選手がメディアへの参加を拒否した場合、このような状況になってしまう」としている。
東京スポーツ

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