東京オリンピックのテスト大会となる陸上の競技会が9日、国立競技場で無観客で開かれた。アテネ五輪金メダリストのジャスティン・ガトリン(アメリカ、39)ら海外選手を含む約420人が参加した。

新型コロナウイルスの感染拡大で、東京都に緊急事態宣言が出されている中での大会となった。

競技場の外では、東京オリンピック・パラリンピックの中止を求める小規模な抗議活動が行われた。

男子100メートルはガトリンが優勝した。前回リオデジャネイロ五輪では銀メダルを獲得したガトリンは、外国から参加した選手9人の1人。

ガトリンは東京オリンピックについて、選手らが毎日検査を受け、移動を競技場と宿泊施設などに限定する「バブル」を形成することで、日本国内の感染状況を悪化させることなく無事開催できるのではないかとの考えを示した。

ガトリン選手の意見
ガトリンは「とても安全だと感じた」、「バブルはかなりうまくいっている」と評価。次のように考えを述べた。

「この大会は、どうすればオリンピックを開催できるのかや、選手たちの健康を守るバブルを維持できるのか、外国人選手たちがやって来る状況で日本の人々が健康であり続けられるかを、まさに示すものとなったと思う」

「外の様子を目にしたのは、競技場に向かうバスに乗る時だけだ。私たちは練習をし、ホテルに戻る。食堂や集会場で食事すらせず、食べ物を自分の部屋に持っていき、部屋で食べる」

「これを歓迎しない選手も多いだろうが、全員の安全を守るための措置で、うまくいっていると思う」

先月から次々とテスト大会
東京オリンピック・パラリンピックでは、選手らが毎日、新型ウイルスの検査を受ける予定となっている。

テスト大会を視察した世界陸連のセバスチャン・コー会長は、東京オリンピック・パラリンピックの開催が感染状況の悪化につながるとの懸念が広がっているのは理解していると発言。だが、厳しい対策を取ることで「安全かつ安心できる環境」を作り出せると主張した。

東京大会の組織委員会は先月以降、11以上のテスト大会を開催している。これまでのところ、そのテスト大会での新型ウイルス感染は確認されていない。

バレーボール、飛び込み、マラソン、そして今回の陸上の計4種のテスト大会には、外国選手たちも参加した。

東京大会では、海外からの観客を受け入れないことが決まっている。国内の観客については、6月に決定する。

東京オリンピックは7月23日、パラリンピックは8月24日に開幕の予定。

https://www.bbc.com/japanese/57052899
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