https://news.yahoo.co.jp/articles/77aebc506a096c8c2c75ef8afc2b3d9db15341d1

 将棋の藤井聡太王位・棋聖(18)が5月6日、王座戦挑戦者決定トーナメントの1回戦で、深浦康市九段(49)に105手で敗れた。藤井王位・棋聖は、昨年10月29日に佐藤天彦九段(32)に勝利して以来、公式戦19連勝中だったが、タイトル3期を誇るベテランの前に苦杯。約半年ぶりの敗戦となった。

 年度をまたいでの連勝が、ついに「19」で止まった。タイトルを2つ獲得、全棋士参加の一般棋戦で2度優勝し、最優秀棋士に選ばれた2020年度。10月末からは、さらに手がつけられない強さで勝ちまくり、新年度に入っても連勝を続けていた天才棋士に、久々に黒星がついた。3つ目のタイトル挑戦を目指した王座戦の挑決トーナメントだったが、過去1勝1敗だった深浦九段との対戦は、序盤・中盤と持ち時間を大量の消費する展開に。相手よりも序盤から持ち時間を使うのは藤井王位・棋聖の特徴の一つではあったが、本局については深く先を読むというよりも、むしろ難解な局面で苦しむ時間となっていた。

 終盤に入ったところまでは、まだ互角、むしろ藤井王位・棋聖が有利かと見られていたが、さらなる攻め合いに入ったあたりで藤井王位・棋聖の一手をきっかけに、形勢は一気に深浦九段に。先に持ち時間を使い切り、時間でも苦しい中、なんとか逆転の糸口を探ったものの、気迫と集中力に溢れた深浦九段が正着を繰り返したことで万事休す。盤石の強さを誇っていただけに、敗戦が決まった瞬間には多くのファンからも驚きの声がネット上に溢れた。

 藤井王位・棋聖は6月に棋聖、王位のタイトルで防衛戦を控えているほか、順位戦では最年少名人への道をたどるべくB級1組に初参戦。また竜王戦でも本戦出場を決めており、まだまだ厳しく激しい戦いが多く待っている。約半年ぶりの敗戦を糧に、天才棋士はどうグレードアップするか。
(ABEMA/将棋チャンネルより)