25日に発令された緊急事態宣言後も興行を行ってきた東京都内の4寄席(上野・鈴本演芸場、新宿末広亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場)が5月1日から11日まで休業することを決断した。28日に落語協会(落協)、落語芸術協会(芸協)と4寄席が発表した。

 この日、東京都の関係者が新宿の芸協事務局を訪れ、感染拡大抑制のため“休業要請”を行った。両協会が協議し、寄席の席亭に打診し休業が決まった。

 当初「演芸場」への要請は「無観客開催(社会生活の維持に必要なものを除く)」だった。寄席は大衆娯楽と伝統芸能を担い、かつ芸人の修業の場で「社会生活に必要なもの」と判断。無観客開催は不可能のため、感染防止対策を徹底して“有観客”興行を行っていた。

 寄席の決断を支持する声が上がるなど反響を呼び注目を集めた。この日、都関係者が「無観客開催」が出来ない場合は休業を要請すると説明し、混乱を招いたことを謝罪。

 今までの一方的な通告に態度を硬化させていた両協会と4寄席は「本日改めて東京都より『休業要請』としての打診があり、東京寄席組合及び両協会で協議の結果、5月1〜11日の営業をやむなく休止させていただくことといたしました」などとコメントした。休業要請を受けると都から1日2万円の協力金を支給されるが「お金が欲しいから休むんじゃない」(関係者)と“拒否”したという。
報知新聞社

https://news.yahoo.co.jp/articles/584d4e4587ffa9a14b3dd412abfc447bc6127159