3/8(月) 9:06
日刊ゲンダイDIGITAL

元宝塚男役トップ明日海りおは“ポスト天海祐希”の大本命
宝塚歌劇団花組時代の明日海りお(C)共同通信社
 同じクールに2本の連続ドラマに出演するのは、売れっ子の証し。今期がドラマ初出演ながら、早くもその“証し”を手に入れた女優がいる。元宝塚トップスターの明日海りお(35)だ。

 現在放送中のNHK朝ドラ「おちょやん」では、劇団「鶴亀家庭劇」の座員・高峰ルリ子役、同じく連ドラ「青のSP―学校内警察・嶋田隆平―」(カンテレ・フジテレビ系)では、主演の藤原達也(38)の元恋人・香里役を演じている。

 2003年に宝塚歌劇団に入団した明日海は、14年に花組のトップスターとなり、絶大な人気を誇った。19年に退団し、20年から大手芸能事務所の研音に所属。芸能活動をスタートさせている。

「退団後初出演のドラマで藤原竜也さんの恋人役を射止めるとは、事務所も明日海さんの今後に相当な期待をかけていることがよく分かります。また『おちょやん』のルリ子役は、元人気舞台女優という設定。衣装は着物なのですが、明日海さんは宝塚時代に舞台で着物を着馴れているだけあって、立ち居振る舞いも板についているし、何よりどんな時も姿勢が凛と美しい。さすが宝塚のトップだなと」(テレビ誌ライター)

 2本の連ドラ出演で多忙な明日海だが、今年1月には主演舞台の幕も上がった。ミュージカル・ゴシック「ポーの一族」で、原作は少女漫画界の金字塔的存在である萩尾望都氏の同名漫画だ。明日海は宝塚在籍中の18年にも「ポーの一族」の永遠の少年エドガー・ポーツネルを演じており、「当たり役」として評判を呼んだ。

 舞台を鑑賞したという芸能ライターのエリザベス松本氏は「私は原作の大ファンなので、登場人物に対する思い入れは強いほうです。主人公のエドガーとアランは吸血鬼になり、時が止まった永遠の少年。それをどのように生身の人間が演じるのか……とても興味がありました」と前置きしつつ、こう続ける。

「鑑賞してすぐ、明日海さんはまさに『エドガーそのものだ』と感じました。エドガーは美しいだけではなく、老若男女、誰が見てもハッとするような妖しさがなければいけない。明日海さんにはしっかりとそれがあり、当然とはいえ、男役にも違和感がなかった。『これがあの朝ドラのルリ子さんと同じ人?』と驚きましたし、これからもまた、たびたび男役も見せてほしいなと感じてしまったほどです」

 宝塚退団後の男役が、ドラマや映画で再び男役を披露する――かつて天海祐希が映画「千年の恋 ひかる源氏物語」で光源氏を演じたり、映画「Diner ダイナー」では真矢ミキが宝塚退団以来、21年ぶりとなる男装を披露して話題を呼んだりと前例はある。

 前出のエリザベス松本氏は「原作の『ポーの一族』は今も続いているので、舞台でも続編を明日海さんでぜひ!」と話す。

 天海や真矢、芸能界でも売れっ子となった先輩たちの後に続き、明日海も“男も演じられる女優”の立ち位置を獲得する可能性は大きそうだ。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/cf4f6925143a3a1f1c3d0f1c596a551362cefa75