2021年2月24日 19時02分

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地面が揺れるほどの大歓声。客席でうち振られる色とりどりの国旗。スタジアムで打ち上げられる大量の花火。その瞬間、世界のどの場所よりも熱狂に包まれます。
世界のトップ選手たちがしのぎを削る東京オリンピック・パラリンピックが間近に迫っています。
しかし、今、その空間が「静寂」に変わるかもしれません。
家で見るテレビ中継で現地の感動は伝わるのか。
強い危機感を抱え、動き始めた人たちがいます。
(スポーツニュース部 記者 中野陽介/島中俊輔)




“国立競技場を満員に”

「新しい国立競技場を満員にしたい。東京パラリンピックでパラスポーツをメジャーにする」
2年前、そう話していたのは義足アスリートの第一人者、パラ陸上走り幅跳びの山本篤選手(38)です。

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その年の世界選手権でいち早く東京パラリンピックの代表内定を手にした山本選手。訴えてきたのが東京パラリンピックの「フルスタジアム」、つまり、すべての競技会場で満員の観客を実現することです。

この観客にこだわっているのは、オリンピック選手以上に、パラリンピック選手が多いというのが取材実感です。そこにはパラスポーツ、独特の事情があります。




目標だった“フルスタジアム”

競技歴20年、数多くの大会に出場してきた山本選手が長年、目にしてきたのが、観客がいないガラガラのスタジアムでした。

日本選手権やジャパンパラ大会、世界トップレベルのパラアスリートが集まる大会でも、観客席に目立つのは選手の家族や所属先の関係者たち、一般の観客の姿はほとんどありません。
しかもほとんどの大会で入場は無料なのに…。

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大阪で開かれた2019年パラ陸上日本選手権の山本選手

スター選手がこぞって出場するオリンピックと比べて格段に注目度が低い、パラリンピック。それだけに関係者は東京で開かれるパラリンピックにパラスポーツの魅力を初めて「実感してもらえる」「肌で感じてもらえる」唯一無二のチャンスと期待してきたのです。

それを象徴するのが、大会組織委員会が東京パラリンピックで第一に掲げた目標。それは選手が獲得する「メダルの数」ではなく、「フルスタジアム」。
会場を満員にすることこそが、パラリンピック成功の証しとされたのです。



8割が「観客制限」の衝撃
     ===== 後略 =====
全文は下記URLで
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