0001少考さん ★
2021/02/21(日) 12:26:45.92ID:CAP_USER9https://www.yomiuri.co.jp/culture/20210216-OYT1T50162/
2021/02/21 10:00
東日本大震災の津波にのまれ、海上を43時間漂流した60歳男性の過酷な体験をドラマ化した「星影のワルツ」が3月7日、NHK総合で放送される。一緒に流された妻が行方不明となる中、男性の命をつなぎとめたのは、偶然見つけた自宅のトタン屋根。震災の記憶を風化させまいと挑んだ主演の遠藤憲一は、不安定な足場に悪戦苦闘。「実際にはどれほど大変だったことか」と想像を絶する状況に改めて思いをはせた。
原発の爆発も海上から目撃
2011年3月11日の地震発生後、男性は勤務先から福島・南相馬の自宅に帰って来た。家には妻がおり、避難しなければならなかったが、稲の種もみを放置するわけにいかず、男性はそれを納屋に搬入。その後、2階から隣家が津波にのみ込まれるのが見えた。階下から駆け上がってきた妻には「大丈夫だから」と告げたものの、間もなく衝撃を感じ、夫婦は離ればなれになってしまう。濁流の中で男性は、偶然見つけた自宅のトタン屋根によじ登って妻を捜したが、見つからず、そのまま沖合まで流されてしまう。そこから海上自衛隊のイージス艦に救助されるまで、43時間におよぶ壮絶なサバイバルが続く。
震災から1年後、NHKは地震が起きた日の夜の様子を振り返るドキュメンタリーを放送、その中で男性の生還劇を伝えた。漂流中、男性は福島第一原発の爆発事故も目撃。担当した新延にいのべ明プロデューサーは「津波と原発事故の両方を間近に見た人はあまりいないし、失って初めて日常の尊さに気づくというのは普遍的なテーマ」とドラマ化を発案。今回ようやく制作にこぎつけた。
ドラマでは、夫婦の回想や離れて暮らす娘夫婦の様子が挿入されるが、軸となるのは漂流場面だ。「年配の男性が一人で海を漂う。単調な映像の中でも見る者を引きつける深い演技が求められる」と新延プロデューサー。「人間の喜怒哀楽を迫力を込めて演じることができる俳優」として遠藤に白羽の矢が立った。
30秒しか息止められず「これじゃ撮影にならない」
被災地でのボランティア活動に参加したこともなかった遠藤は、「震災を歴史に残す上で役に立てる」と出演を快諾。「極限の中で男性がどういう感情だったのか、すごく興味がわいた」という。
約3メートル四方のトタン屋根にしがみつき、たまたま妻から渡されていた栄養ドリンクと自らの尿で命をつなぐ――。いかにもドラマチックな展開だが、スタッフが目指したのはドキュメンタリーとドラマの中間。「なるべくドラマっぽくならないセリフ、実際には言わなかったとしても、こういう状況下では出てしまう言葉を探した」と遠藤は明かす。
撮影は昨年12月から今年1月にかけて行われ、漂流場面は千葉の海でロケ。それにスタジオ内に設置したプールで撮った部分を合わせ、特殊効果で一面に広がるがれきや強い波を加えていった。海中でもがき苦しむ場面があるが、泳ぎが苦手な遠藤は、当初、30秒程度しか息を止めることができなかった。
「さすがにこれじゃ撮影にならない。毎日訓練して、なんとか1分ぐらい止められるようになった」
まさに体を張った撮影で、平たい屋根の上でどう動くかは遠藤のアドリブに任された。漂着物を探す場面で水に落ちてしまうこともあったが、かえってそれがリアリティーを増した。
「屋根の上は立ち続けるのがきついし、ずっと揺れているので、陸に上がった後もその感覚が拭えなかった」と男性の苦難に思いを寄せる。「妻を救えなかった強い後悔にさいなまれながら、孤独、渇き、空腹……。この先助かるかどうかもわからない。自分がその立場だったらどうだろう」。表情を曇らせながら遠藤はつぶやく。
睡魔に抗うために「星影のワルツ」
生き続けた原動力は、妻への強い思いだった。それがタイトルに表れている。浮き具がわりの屋根の縁にがれきが押し寄せ、放っておくと重みで屋根は沈んでしまう。そこで夜を徹してがれきを撤去せねばならないのだが、睡魔に襲われては海に吸い込まれそうになる。それに抗あらがうために口ずさんだのが、妻が好きだった「星影のワルツ」だったのだ。
(略)
※省略していますので全文はソース元を参照して下さい。