ここで問題です。

税金を5000万払って、3000万円ぶんは脱税(もしくは節税という名の合法的脱税)をしているA君と、
税金を50万円払って、脱税していないB君がいたとき、

どっちが税金面で社会的に貢献している人だと思いますか?

答えはB君です。

「それはおかしい。A君のほうがB君より100倍税金を払っているわけだし、
脱税の3000万円ぶんを引いても、2000万円は実際に払っているのだから、
A君のほうがB君より税金面で貢献してないなんてことはあり得ない」って思う人、考え方が間違っています。

どういうことかというと、
社会の中で行われる経済活動の総量はおおよそ一定量であり、急に需要や供給が変動することはありません。
だれかが働いて稼がなくてもその分、他の誰かが働き需要が満たされていきます。
つまり、おおよそ税収の総量は変わらないので、だれがどれだけ納めるかの違いだけです。
でも現実は脱税や節税という名の合法的脱税が起きている。
そういうタックスヘイブンを利用したり、ソフトバンクのように合法的脱税(節税)している人や会社がいると、
それだけ社会の中で税金回収機会が消失されることになるわけです。
つまり、人より多額の税金を納めていても、人より脱税や節税しているのなら、
そういう人が増えれば増えるほどその国の総税収は減っていくわけです。

仮に日本のなかに年収2億円のA君やソフトバンクみたいなのが増えていくと、
日本はどんどん税収が少なくなり、国は貧しくなって国民に課される税率も上がることになります。
税金をまったく納めていないホームレスや、税金で食べている生活保護受給者よりも、
税金を5000万円納めつつ3000万円脱税しているA君のほうが、社会にとって負荷になるわけです。
なので答えはA君よりB君のほうが社会に貢献しており、
A君は社会にとっては貢献どころかマイナスの存在であり、いないほうがマシってことになるわけです。
税金とは社会貢献ではなく、
社会の歪みから不必要に集まってしまうお金をあるべき場所に戻すよう定められた義務です。
「税金をたくさん支払っている人ほど社会貢献している」とかいう間違った認識の人が時々いるけど、
その人は義務教育受けてきたのかなって不思議に思います。

さて、ここからさらに導ける事実がある。
「税金を厳しくとったら金持ちが国外へ逃げるから、富裕層をしめつけられないんだ。」っていう人がいますが、それは間違いなわけです。
なぜなら合法的脱税で節税をする彼らが日本からいなくなったほうが、上記理由で内需からの税収の総量は増えるからです。
彼らが国外へ行こうが国内にとどまろうが、内需の総量はそれとは関係なく、ほぼ変わらないまま維持されます。
そして脱税している人が請け負っていた需要を、脱税しない人がかわりに請け負い、その人がきちんと税金を支払うので国の税収は増えるってわけです。
たとえトヨタのような日本で大きな市場を請け負っている企業でさえ、日本から消えても、
一時的に供給が減りますが、すぐにそのぶんを国内の同業他社が国内分の経済活動で埋めるだけです。
脱税企業が国内から海外へ出ていく方が、税収が増えるので国力も増します。
社会が好循環しやすくなるので、あくどい富裕層はどんどん国外へ行かせた方が実はいいんです。