1月末で吉本興業を退社した西野亮廣。退社前には、吉本興業のマネージャーを叱責するLINEのスクリーンショットをTwitterに投稿し、マネージャーへの不満をあらわにしていたものの、“円満退社”であることを強調している。

 だがそのLINEを公開したことそのものが、西野からマネージャーへのパワハラではないかとネットでは批判が殺到。LINEでは深夜0時過ぎに、西野の個人マネージャー(吉本ではなく外部のスタッフ)である田村有樹子氏が、公開中の映画『えんとつ町のプペル』の上映館に関する疑問を投げ、吉本マネージャーがそれに返答している。

 西野や田村氏にとっては、『〜プペル』を今以上に多くの観客に届けるべく、24時間働くのも当然なのかもしれないが、吉本の社員であるマネージャーにも同じ熱量を求めるのは無理があるだろう。西野はロザンの菅広文から「会社員に深夜に連絡するな」と説教されたという。

 仕事に情熱を燃やすあまり、働き方改革やワークライフバランスなどそっちのけで、他人にも私生活を犠牲にすることを強いるワーカホリックのパワハラは、悪気がない。だが西野はそのタイプなのだろう。また、「女性自身」(光文社)の記事では、吉本興業関係者が社内での西野の悪評について赤裸々に語っている。

 記事では、吉本興業関係者が<西野さんはマネージャーには常に上から目線でした。自分が指導してやっている、という意識が強いのか高圧的な態度や物言いも多かった>と明かしており、6,000人以上いる所属タレントの中でも、西野は<“マネージャーとしてつきたくないタレントランキング”では1、2を争う>存在だったという。

 西野は1日放送の『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)で、<僕の映画の仕事は4年スパン。他にも学校をつくったりとかは数年スパンになっていくけど、吉本興業のマネジメントの体制として、マネージャーは半年とか1年で代わってしまう>と不満を漏らしていたが、それが吉本ルールというわけではないようだ。

 西野以外のタレントは何年も同じマネージャーがついているそうで、つまり西野のマネージャーが短いスパンで代わっていたのは<精神的負担が大きいからなんです。“西野さんの担当を外れたい”と上司やまわりに相談するのは毎度のことで、人事部に掛け合う人もいました>と同じ関係者が説明。ただ、大崎洋会長の覚えはすこぶる良いという西野。彼に態度を改めるよう注意できる人物は吉本社内にはいなかったのだろうか。

 吉本興業所属タレントによるマネージャーへのパワハラめいた言動は、これまでも取りざたされている。友近は、2019年夏頃からマネージャーへのパワハラ疑惑が相次いで報じられた。教育と称して暴言を何度も吐いたり、深夜まで説教をしたりしたことから、過去10年で20人もマネージャーが変わったという。友近の複数のマネージャーがパワハラを訴える嘆願書を吉本に提出したとの話もあった。その後、友近は昨年2月より、吉本興業「所属」という形ではなく「専属エージェント契約」を結んでいる。

 こうした問題は、吉本に限った話でもない。歌手・広瀬香美は、2018年5月21日にFacebook上で所属事務所「オフィスサーティー」とのマネジメント契約終了し、新事務所「Muse Endeavor inc.」へ移籍すると発表。しかし、同年6月1日に「オフィスサーティー」代表取締役の平野ヨーイチ氏が会見を開き、<7年間のうち、マネージャーが28人も辞めた><新人の女性マネージャーに対し、パワハラまがいの言動を取っていた><広瀬に肩を殴られ、退所したマネージャーもいた>と在籍時の広瀬のパワハラを告発した。

 また、女優の菜々緒は2017年10月5日発売の「週刊文春」(文藝春秋)で、8年間で14人もマネージャーが代わったと報じられたことがある。記事では、菜々緒のマネージャーに対する態度として、移動中に渋滞に巻き込まれると機嫌が悪くなる、男性マネージャーが用意した弁当が油っぽかったとして目の前でゴミ箱に捨てたと伝えられていた。これはドラマなどで彼女が演じる“ドSキャラ”に寄り過ぎた内容に見え、さすがに眉唾物だが……。

 自宅から現場への送迎から始まり、撮影や打ち合わせなどもあって、長時間ともに過ごすことの多いタレントとマネージャー。本来はそれぞれ対等な存在であるはずで、タレントが殿でマネージャーが下僕とでもいうかのような関係性がまかり通るとしたら、それはおかしいだろう。
★記事
https://wezz-y.com/archives/86608