https://www.zakzak.co.jp/soc/news/210205/for2102050002-n1.html
 数日たっても怒りが収まらない。テレビから流れてきた、ある発言に対してだ。

 「新疆ウイグル自治区の、あそこの多くの住民が強制収容所に入れられているとか、香港の民主化運動の人たちが次々に捕まっているという、ああいう問題に関して(ドナルド・)トランプ(前米)大統領は、これまで何も言ってきませんでしたからね。全然、人権問題に関心がなかったわけですね。ところが、(ジョー・)バイデン大統領、あるいは民主党というのは人権問題を重視するので…」

 発言の主は、ジャーナリストの池上彰氏。日本中に知られた「テレビの物知りおじさん」である。NHK在職中に担当した、「週刊こどもニュース」の「お父さん」役のイメージそのままに、ソフトな口調で、“分かりやすく”世界のニュースを解説し、この15年、「お茶の間の人気者」であり続けた。

 そんな池上氏のニュース解説に、しばしば誤りや問題があることは承知していたが、今回は到底看過できない。

 冒頭の発言は、1月30日放送のテレビ朝日系「池上彰のニュースそうだったのか!!」で飛び出した。

 まず、はっきりさせたいのだが、本コラムでは幾度も取り上げてきたとおり、トランプ氏は、米国の歴代大統領の中で最も熱心かつ実効的に、ウイグル問題をはじめとする中国の人権問題に関与した人だ。

 「何も言ってきませんでした」「人権問題に関心がなかった」というのは、真っ赤なウソである。


(略)