日本時間2月2日早朝、突如、ビッグニュースが飛び込んできた。リバプールに所属する日本代表FW南野拓実がサウサンプトンに期限付きで移籍するというニュースだ。その報道が出た数時間後には、リバプールおよびサウサンプトンの両クラブからアナウンスがでることになる。何故、南野拓実は所属クラブを一時的に移すことになったのか。(文・内藤秀明)

●驚きの一報とその背景

 筆者はこの日の早朝、偶然まだ寝ていなかった。締切間近の原稿があるため執筆を進めつつ、少し集中が切れたらTwitterで移籍最終日の動向をチェックしていたのだ。すると驚きの投稿を目にすることになる。移籍情報の信憑性に定評のある現地記者デイヴィッド・オーンスタイン氏らを始め、複数の現地記者たちが突如、南野のサウサンプトンへのローン移籍の可能性を報じ始めたのだ。

 驚いた理由が2つある。まず移籍最終日までそんな噂がほとんどなく、唐突感が強かったからだ。そして何より、筆者自身がおよそ2ヶ月前に、南野拓実の状況を鑑みた上で、サウサンプトンへの期限付き移籍を勧める記事を書いていたからだ。

 基本的に筆者は選手や監督へ提言するコラムというより、あくまで現場の裏側で何が起こっているのかの解説や推測記事を多く書くことが多いタイプだ。正直、いちライターがトップレベルの選手に提言するのは少し恐れ多い気がするという小心者の性格ゆえにそうしてきた。しかし非常に珍しく提言記事を書いたら、その内容がそのまま現実になったのだから驚きを隠せない。正直、びっくりだ。

●南野拓実のリバプールにおける状況

 南野拓実に関する状況は前回のコラムで詳しく書いたので、今回は概要のみの説明とする。そもそも2020年1月にリバプールに加入した日本代表FWは、リバプールの3トップにおける4番手、つまりスタメンを休ませる時にはレギュラーで、そうでない時はスーパーサブとしての役割を全うすることが求められていた。

 しかし現実は厳しく、昨年9月に月にディオゴ・ジョッタの加入が決まると、立場は5番手に低下。その後もともと昨夏で退団濃厚と言われていたが一転して残留を決めたジェルダン・シャキリが復調すると南野は6番手にまで低下した。

 この時点で前回の記事は執筆されており、出場機会が限定的すぎるため、まずはプレミアリーグになれる意味でもサウサンプトンにローンで移籍してはどうかと提言させていただいた。

 ただし状況はこの後、さらに悪化していたのだ。

 12月にはクリスタル・パレスを相手にプレミアリーグ初ゴールを決めると、序列にポジティブな変化が訪れると思いきや、むしろそれまで7番手だったディヴォック・オリギの起用頻度が増え始める。結果、リーグ戦における1月の南野のプレータイムがわずか6分のみだったにもかかわらず、オリギはスタメンの試合こそ少ないものの145分のプレー時間を得るなど、二人の序列が入れ替わることになる。

 気がつけば南野は7番手に近い位置にいたのだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/3efb897525fa83b7e0a9e3278df68be777e9154c
2/3(水) 11:32配信