0001征夷大将軍 ★
2021/01/22(金) 00:05:29.60ID:CAP_USER9https://dot.asahi.com/dot/2021012100004.html
2021年正月の箱根駅伝は大いに盛り上がり、最終10区での劇的な逆転劇によって記憶に残るレースとなった。結果的には駒沢大が13年ぶり7度目の優勝を飾ったが、その藤色の襷以上に目立ったのが、赤青のストライプ、創価大の奮闘ぶりだった。通算4度目の箱根路で初優勝まで“あと一歩”の総合2位。前回大会で総合9位となり初めてシード権を獲得した新興校の躍進は、大きな驚きを与え、大学駅伝界の勢力図の変化を予感させた。
改めて創価大の今年のメンバーを振り返ると、全10区間中4年生は1区・福田悠一、7区・原富慶季、9区・石津佳晃の3人。3区で区間3位だった葛西潤(2年)、4区で区間2位の快走で首位奪取に成功した嶋津雄大(3年)、5区の山登りを区間2位で走り抜いた三上雄太(3年)が今後も軸としてチームに残る。最終10区で逆転され悔しさを味わった小野寺勇樹(3年)のリベンジも含め、コロナ禍の1年を戦い抜いた末の2位はチームをさらに強くし、来年の箱根路も好走できるはずだ。そしてその期待は、創価大だけのものではない。
記憶に新しい2020年の箱根駅伝で総合3位に入ったのが、国学院大だ。今年も「総合3位以内」を目標に掲げたが、卒業した浦野雄平(富士通)に代わる新エース・藤木宏太(3年)の1区12位からリズムに乗れずに総合9位でゴールした。それでもチーム初となる3年連続シード権獲得。リベンジを誓う藤木と10区で区間3位の力走を見せた主将・木付琳(3年)がチームに残り、2区を走った中西大翔は2年生。特に今年振るわなかった藤木と中西が来年、本来の走りを見せることができれば再び上位争いを展開できるはずだ。
その国学院大以上に若く、多くの伸びしろを残しているのが、順天堂大だ。注目されたスーパールーキー・三浦龍司は、今年の箱根で1区を走ったが、超スローペースの中で力を発揮できずに区間10位。しかし、昨年10月の予選会で日本マラソン界のエース・大迫傑(ナイキ)が早稲田大1年時に記録したU20ハーフマラソン日本記録を6秒更新(1時間1分41秒)した力は本物。この三浦に続き、2区以降も野村優作(2年)、伊豫田達弥(2年)石井一希(1年)、津田将希(3年)と力のある下級生が揃い、復路も5人中4年生は2人。三浦の爆発にレース展開が向けば、来年正月のテレビ画面をジャックすることは可能だ。
昨年の箱根駅伝で総合5位に躍進した東京国際大は、今年もしぶとく10位に入ってシード権を獲得。「黒×金色」のユニフォームも見慣れてきた。特に往路は6位。2区で14人抜き、1時間5分49秒の区間新記録という異次元の走りを見せた留学生のヴィンセント(2年)が“あと2年”走れる。今年のメンバーは全10区間中6人が4年生だったが、1区14位だった丹所健(2年)と4区13位だった宗像聖(2人)が勝負強さを身に付け、他のメンバーも力を伸ばせば、来年は5位以上を狙える。少なくともヴィンセントが万全な状態ならば、必ず1度はトップに躍り出ることができるはずだ。
優勝の本命候補となると、田沢廉(2年)を擁する今年の優勝校・駒沢大と総合3位のチームに5000メートルの日本高校記録を更新(13分34秒74)した石田洸介(東農大二高)が加わる東洋大、往路12位から復路優勝での総合4位と底力を見せた青山学院大の“3強”は外せないが、そこに匹敵する力を持ちそうなチームが、伝統の早稲田大だ。
今年の箱根でも3強+明治大に次ぐ存在として期待された早稲田大だったが、結果は総合6位。それでも往路11位からの巻き返しは価値あるものだった。メンバーを見ると4年生は1人のみ。1万メートル27分54秒06のタイムを持つエース・中谷雄飛(3年)と今年の箱根で2区を走った太田直希(3年)、さらに8区で区間5位だった千明龍之佑(3年)ら入学時から期待されていた世代が最終学年となり、来年は集大成の箱根路に挑むことになる。
その他にも1区で区間5位だった井川龍人(2年)、4区で区間3位だった鈴木創士(2年)がおり、さらに新1年生として昨年11月に5000メートル高校歴代2位のタイム(13分36秒57)をマークした伊藤大志(佐久長聖高)が入学予定。出雲、全日本でチームとして自信を深めることができれば、2011年以来11年ぶりの総合優勝へチャンスも広がる。
果たして来年の箱根駅伝はどうなるのか。再び新興校の驚きの躍進があるのか。初出場を目指す麗沢大や駿河台大にも期待。そしてまずは無事に、安全に開催できること。対策をすべて取りながら、新たなドラマの誕生を期待したい。