昨年大みそか「WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ」で4階級王者・井岡一翔(31=Ambiton/同級王者)に挑んだ3階級王者の田中恒成(25=畑中/同級1位)は8回TKO負けで王座獲得に失敗したが、この試合について田中は自身のYouTubeで振り返っている。
 前編、後編と分け、昨夜11日に後編がアップされ、ダウンしたこと、KO負けの心境、その後、井岡と話した会話など20分にわたり語った。

 井岡との技術的な差や負けの要因を語った田中、そのうちの一つに井岡が仕掛けたメンタル攻撃があった。それは2度目の左フックでのダウン(6R)でのこと。
「パンチもらって綺麗に(仰向けに)ゴロンと転んだときに井岡さんはこう(手招き)してましたね。”まだ出来るだろ、もっと来いよ”みたいな」
 倒れた田中をその場で立ったまま上からジッと見下ろした井岡、田中は井岡の顔を見上げた。すると井岡は「来いよ!」と手招きしきびすを返し自身のコーナーで試合再開を待った。

 立ち上がった田中は「そのときレフェリーにまだまだ行けると言ったのではなく、その先にいる井岡さんを見て言った」と語る。試合が再開されると田中は再び攻めに行った。
「それ(手招き)がなくても、多分、前に行ってたと思いますが、それをされて、足を使おう(アウトボクシング、ヒット・アンド・アウェイなど)なんて選択肢になるわけがない。自分の性格上のもの」と普段、試合でもムカつくことのないという田中だったが、これには熱くなってしまったようだ。
「試合でムカつかない俺の感情をコントロールされてた」とも。
 その手招きが試合でマイナスになった点は「そのときは2度のダウンを奪われ勝つにはKOしかないと思った。とにかく行く、ボディで攻める、それだけしか頭が働いてなかった。だから”来いよ”って言われた時に”言われんでも行くわ”ってそう言う気持ちになった」と猪突猛進的になりディフェンスがおろそかになった理由の一つとして語った。

 田中は「練習をやりきってこの試合に挑んだので後悔はない、やった結果が出る、なるようになると、そこまでやりきったから、あとは運命に任せるぐらいに思えた。それでも負けたのだから認めるしかない」と負けを受け入れる。動画でも「悔しい」と口にした田中。この経験を経てさらに強くなった田中の再起戦にも期待したい。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f87d36c9648f375c211ec9abde4b87ff64792991
1/12(火) 8:39配信