1/11(月) 6:12
文春オンライン
山田哲人40億円、小川泰弘7.5億で残留……ヤクルトはなぜ「住めば都」なのか
青木(左)と山田
「記者の間では『2020年のプロ野球はオフが本番』と言われていたが、驚くほど静かに終わった。FA市場の主役だったヤクルトの主力が軒並み残留でしたからね」(スポーツ紙デスク)
“Mr.トリプルスリー”山田哲人(28)に7年総額40億円、エースの小川泰弘(30)に4年総額7.5億円、抑えの石山泰稚(32)に4年総額7億円を費やし、FA流出を阻止したヤクルト。さらに青木宣親(39)とも3年総額10億円で契約を更新するなど主力選手と“生涯契約”を締結している。
コロナ禍の昨季は各球団とも大幅赤字に転落。「19年度まで入場料収入が好調だったヤクルトも、20億〜30億円とも言われる赤字に終わった」(番記者)というが、無いはずの袖がなぜ振れたのか。
「コロナ禍で免疫力を高める『腸活ブーム』が追い風となり、ヤクルト本社の業績が好調なのです」(同前)
ヤクルト本社の2021年3月期の連結純利益は、過去最高益を更新する400億円の見込みである。
「本社が球団の主力流出による人気低下に危機感を覚えていたことも、資金面での全面的なバックアップにつながりました」(同前)
ただ、従来は年俸を上げ渋る傾向が強く、選手からは不満の声が上がっていた。
「小川は契約更改のたびに条件面に不平を漏らし『FAの権利を取ったら絶対に使いますよ』と言い切っていた。しかし今回は予想外の好条件に加え、外に出るより“ステイホーム”という時流もあって思い直したようです」(前出・デスク)
ヤクルトが「住めば都」な理由
年俸さえ良ければ、本拠地が都心ということもあり、家族のOKも出やすい。
「内川聖一(38)が移籍を決めた背景にも、3人の子を育てやすいという元フジアナの妻・長野翼の後押しがありました」(球界関係者)
また、成績にガツガツしない“ファミリー球団”の体質は、選手にとってまさに「住めば都」なのだ。
「日ハムや楽天のようなメジャー流のシビアな編成方針もない。昔から生え抜き重視だし、ドラフト上位の選手をクビにする際には本社や関連会社で仕事を用意したり、球団職員に採用するなど面倒見が抜群。山田や小川には指導者の手形を切ったとみられ、青木は監督候補として遇しているようです」(前出・デスク)
さらに引退後は球団の株を持つフジサンケイグループのメディアの解説者に転身する選手も多い。
だが、主力が残ったとはいえ、「2年連続最下位の球団が戦力をキープしたに過ぎず、上積みは3人の新外国人と内川くらい。上位を狙うにはもっとストイックさが必要です」(同前)。
ファンも“ぬるいヤクルト”はもう飽き飽きだろう。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/fcc01e5d5482e75dc934fd1a383700e5fe7d01ce