2020年12月29日 05:30 テニス
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 女子テニスで今夏の全米オープンを制した大坂なおみ(23=日清食品)が27日、米国のAP通信による「今年の女性アスリート」に選ばれた。1931年に始まった表彰は米国での活躍が評価の対象となるだけに歴代受賞者の大半は米国人で、日本人が選出されるのは初めて。男子ではNBAを代表するスーパースターのレブロン・ジェームズ(レーカーズ)が選ばれた中、大坂は編集者や記者の投票で35票中、18人の1位票を集めて71点を獲得した。  大坂は全米オープンで自身3度目の4大大会制覇を達成しただけでなく、試合ごとに白人警官による黒人暴行死事件などの被害者名が入ったマスクを着用。新型コロナウイルスによるツアー中断中から事件への抗議デモに参加するなど人種差別に反対する姿勢を明確にし、競技の枠組みを超えて共感を集めた。

 大坂は受賞に「全米優勝もそうだけど、人々に本当の問題を話し合うきっかけをつくったことはもっと誇らしい」と語った。女子ツアーの創設メンバーで男女同権の実現などに積極的だったビリー・ジーン・キングさん(77)は「社会正義に関する議論を点火させたことはテニスよりも大きな意味がある。彼女は女子テニスだけでなく社会に変革をもたらす存在」と大坂の強い発信力に期待した。