アメリカの一般人にとって、ミヤザキはディズニーやピクサーに並ぶ身近な名前とは言いがたい。
それは興行収入にも顕著に表れている。長編アニメ部門でアカデミー賞を受賞した『千と千尋の神隠し』は、宮崎監督の作品で最も北米興収が高い映画だが、それでもたった1000万ドルしか稼げていない。
北米は世界最大の映画市場であるにもかかわらず、全世界興収のたった3.7%しか貢献していないのだ。比較のために挙げると、『千と千尋の神隠し』と北米での公開年を同じくする2003年の『ファインディング・ニモ』の北米興収は3億8000万ドル。不幸にもコロナ脅威のタイミングに当たってしまい、普段並みの成績を上げられなかったピクサーの『2分の1の魔法』ですら、6100万ドルを稼いでいる。