2020年12月15日 16時30分 朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASND17RH2NCNPTQP007.html

戦時中、野球は「敵性スポーツ」とみなされ厳しい統制を受けた。ラグビーはどのような状況に置かれたのだろう。軍隊とスポーツについて研究する、京都大学大学院文学研究科の高嶋航(こう)教授(49)=東洋史学=に聞いた。

「ラグビーを行うことがお国へのご奉公」
 「軍隊とスポーツ」について調べていくと、太平洋戦争下で政府がラグビーを特別に扱っていたことがわかりました。1943年3月、「戦時学徒体育訓練実施要綱」が文部省から出され、取り組むべき運動として武道などに加えてラグビーが例示されているのです。ここに名前がなかった野球など多くの球技はこの頃、急速に消えていった。

 ラグビーが例示されたのは、野球と異なり商業化が進んでおらず、純粋とみられていた面があるからだと見られます。そして、それ以上に大きな要因と考えられるのが、海軍で熱心にラグビーが行われていたということです。

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