将棋の第10期リコー杯女流王座戦(特別協力・日本経済新聞社)五番勝負の第5局が14日、東京都渋谷区の将棋会館で指され、後手の西山朋佳女流王座(25)が挑戦者の里見香奈女流四冠(28)を破り、対戦成績3勝2敗で初の防衛を果たした。

この日の将棋は振り駒の結果、と金が4枚出て里見女流四冠の先手番に決まる。午前10時、立会人の阿久津主税八段の合図で始まった対局は、里見女流四冠が初手から5筋の歩を伸ばして中飛車に。西山女流王座もすかさず三間飛車に振り、再び相振り飛車となった。

角交換から左の銀を繰り出し攻めを目指す西山女流王座。対する里見女流四冠は自陣に角を据えて金銀を盛り上がり、後手の飛車にプレッシャーをかける。西山女流王座は角を犠牲に端を破る攻めを敢行したが、里見女流四冠は冷静に対応。後手の攻めをかわしながら飛車を捕まえて勝勢を築く。

だが、西山女流王座は少ない駒で先手玉にしがみついてしぶとく粘る。盤上の駒を拾いながら攻め続ける中で少しずつ差を詰める。ついに先手玉をつかまえ、大逆転で防衛を果たした。

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2020年12月14日 17:57