12/8(火) 17:02
スポーツ報知
箱根駅伝でV奪回を狙う東海大の両角速監督、故郷・茅野市の陸上競技場公認見送り方針に異議
東海大・両角速監督
第97回箱根駅伝(来年1月2、3日)で2年ぶりの優勝を目指す東海大の両角速監督(54)は8日、出身地の長野・茅野市運動公園陸上競技場の日本陸連公認申請が見送られる方針であることに異議を唱えた。「この競技場で、北京五輪男子400メートルリレー銀メダリストの塚原直貴氏や早大の現エースの中谷雄飛選手ら多くの選手が育った。陸上競技は、勝ち負けに加えて、世界中で統一された規格の競技場で0・01秒、1センチの記録を争う。公認陸上競技場こそが『本物』を意味して価値があるのです」と力説した。
日本陸上競技連盟第3種公認の茅野市運動公園陸上競技場は来年11月末に公認の有効期限を迎える。茅野市では財政的な理由で公認申請を見送ることが検討されているという。「公認申請する場合、改修工事などで約8000万円もかかると聞いています。ただ、公認申請しなくても、改修工事に6000万円もかかるようです。確かに大きなお金ですが、公認か公認ではないかは陸上競技場において大きな問題です」と両角監督は話す。
1982年に建設された同競技場では多くの選手が育った。茅野市の東海大三高(現東海大諏訪高)出身の塚原氏、近隣の下諏訪町出身の中谷をはじめ、駒大時代に箱根駅伝で4回優勝した塩川雄也氏、東海大からSGHに進んだ関颯人、東海大の現エース名取燎太らがジュニア時代に、この競技場で汗を流した。両角監督自身もそのひとりだ。
「将来、公認されなかった茅野市運動公園陸上競技場で有望な中学生選手が中学日本新記録を出したとしても、その記録は公認されません。高額な経費がかかるために中学日本新記録が認められなかったとしたら、その中学生は落胆するでしょう」と両角監督は訴える。
茅野市スポーツ健康課は「(公認見送りは)最終決定されていません。来年2月下旬に予算方針が決まります。両角監督をはじめ、陸上関係者のご意見は真摯に受け止めています。ただ、コロナ禍で財政状況が厳しいことも確かです」とコメントした。
両角監督は建設的で活発的な議論が行われることを切望する。「これは茅野市の問題だけではありません。日本全国で同じような問題があると思います。陸上競技の底辺を広げるためにも公認競技場は必要です。その維持費をどうすればいいか。行政頼みではなく、日本陸連、地元企業、利用者、多くの人が考えるべきではないでしょうか。私もその一役を担いたいと思います」と言葉に力を込めて話した。東海大の監督として、チーム強化に尽力すると同時に、陸上界全体を見据えた提言をこれからも行っていくつもりだ。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/6937d5b08299714da016de0b153981cf90994918