「鹿島や浦和に負けたならまだしも…」

カタールで集中開催されているアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で、初出場のヴィッセル神戸が堂々の8強入りを決めた。

 現地月曜日に行なわれた決勝トーナメント1回戦で、中国の強豪・上海上港と対戦。序盤からがっぷり四つに組んで果敢な戦いぶりを見せると、31分にアンドレス・イニエスタが、50分には西大伍がゴールを挙げて優位に試合を進める。元ブラジル代表MFオスカールを軸に猛攻を仕掛ける上海上港を見事完封して、終わってみれば2−0の快勝。12月10日の準々決勝へと駒を進めた。

 注目の一戦を大々的に報じたのが、中国の全国スポーツ紙『新浪体育』だ。近年の躍進が目覚ましい上海上港は、今大会もACLでベスト16に進出。これは5年連続の快挙だが、ノックアウトラウンドでJリーグ勢に敗れるのも4年連続である。クラブの番記者であるメン・ウェイ記者はこの点を激しく糾弾した。

「またしても日本勢に敗れた。5年連続のノックアウトラウンド進出は称えられて然りだが、4年連続で日本のチームに敗れ去ったのは屈辱でしかない。ファンの心にあるモヤモヤは今年も払拭できなかったのだ。なぜグループステージでは五分以上の結果を残しているのに、ノックアウトラウンドになるとこうも勝負弱いのか。まるで学んでいないだろう。メンタル面に問題を抱えてしまっている」

 2016年のラウンド・オブ16でFC東京に勝利したのが最後で、その後の2017年は浦和に、2018年は鹿島に、そして2019年はふたたび浦和に敗れ去った。ウェイ記者は今回の相手が神戸であった点を問題視する。

「鹿島や浦和はともにアジアを代表するクラブだ。彼らに敗れたのならまだしも、神戸はJリーグで現在12位のチームであり、ACLでは新参者ではないか。いくらイニエスタやフェルマーレンが在籍しているといっても、クラブの格では我々のほうが上だろう。にもかかわらず、完敗とも言っていい内容で敗北を喫した。恥ずべき90分間だったと断じざるをえない」

 この日の上海上港は、絶対エースのFWフッキを欠いていた。グループステージの横浜F・マリノス戦で途中交代を命じられてヴィトール・ペレイラ監督に激高し、悪態をついてしまったのが原因だ。以降は宿舎でも孤立状態となり、試合ではメンバー外が続き、神戸戦でもいっさい姿を見せなかった。ウェイ記者は「Jリーグで長くプレーしたフッキは日本のチームをよく知る“ジャパンキラー”だった。彼の欠場が致命傷のひとつになったのは間違いない」と、最後まで嘆き節が止まらない。

 ちなみにフッキは、ACLでの敗退を受けて正式にクラブからの退団を表明。4年半に及んだ中国スーパーリーグでの日々に終止符を打った。

12/8(火) 5:04 サッカーダイジェスト
https://news.yahoo.co.jp/articles/d5f12768864a88e44da6198cae4e8d773ff2d2ba

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