読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/sports/etc/20201205-OYT1T50054/
2020/12/05 01:03
 
 陸上の東京五輪代表選考会を兼ねた日本選手権・長距離種目が4日、大阪ヤンマースタジアム長居で行われた。男女1万メートルで日本新記録誕生の快挙に沸いた今大会、来年1月2、3日に箱根駅伝を控える学生トップランナーも、日本最高峰の舞台で存在感を示した。

 男子5000メートルでは、中大の大型ルーキー吉居大和が躍動した。3000メートル過ぎでオープン参加の外国人を除いて一時トップに立つなど積極的な走りを見せ、7月に自身が樹立したU20(20歳未満)日本記録を更新する13分25秒87をマーク。目標だった3位入賞も達成し、「自分の力をしっかり出し切ろうと思って走った。次につながるレースにすることができたんじゃないかな」と、箱根初挑戦を前に大きな手応えをつかんだ。

 また早大の小指卓也(2年)は13分58秒30の17位、日体大の藤本珠輝(同)は14分0秒16の19位だった。

 タイム順で2組に分かれた男子1万メートルでは、資格記録上位のA組で、駒大のエース田沢廉(2年)が27分46秒09の8位と健闘した。中盤までは日本新ペースの先頭集団に食らいつくと、6000メートル過ぎで脱落したが、大学OBの村山謙太(現旭化成)が保持していた駒大記録を4秒近く更新。「最低ラインはクリアできた。トップ選手は自分がきついところでもすごく余裕があって、どんどん前にいったりしていた。本当によい経験ができた」と振り返った。

 同組では、日体大のエース池田耀平(4年)も27分58秒52の13位と力走した一方、東洋大の西山和弥(同)は28分54秒30の28位と苦しい走りになった。

 資格記録下位のB組では、早大のエース中谷雄飛(3年)が27分54秒06の2位に入り、太田直希(同)も27分55秒59の3位で続いた。前半は先頭に立ってレースを引っ張った中谷は「箱根でもいい走りができると、ひとつの自信みたいなものがついた。今回同様にインパクトのある走りができればいい」と宣言。また、東海大主将の塩沢稀夕(4年)も自己新の28分8秒83と力を示し、「箱根駅伝では、どの区間を任せられても区間賞を取る」と誓った。