12/3(木) 17:51
オリコン
乙武洋匡氏、コロナ禍でも「僕らは濃厚接触を避けられない」 日常生活の課題を指摘
乙武洋匡 （C）ORICON NewS inc.
乙武洋匡氏が3日、都内で行われたオンライン映画祭『True Colors Film Festival』オープン記念メディア発表会に出席した。
【写真】フォトセッションでは大東駿介も登壇
日本財団が主催する同映画祭では、きょう3日が「国際障害者デー」であることにちなんで“One World Film Festival（世界はひとつの家族）”をテーマに、アジアをはじめ、世界の才能ある映画監督が制作した、障害、女性のエンパワーメント、貧困と逆境などといったダイバーシティ＆インクルージョンのさまざまな課題を扱った全28作品を厳選。オンライン映画上映プラットフォームで無料配信する。
アンバサダーを務める乙武氏は「コロナで思うような活動ができませんでしたが、こういう形で、ダイバーシティに触れていただく機会を作れたこと、ご紹介するチャンスをいただいたことをうれしく思っております」とあいさつ。コロナ禍での在宅勤務について行われた調査で、視覚や聴覚の障害者にとっては在宅勤務がつらいとの結果が出たことを受けて「正直、この結果には驚きました。やはり私も障害者は移動に困難を抱えている方が多いので、（通勤）しなくて済むのはプラスの側面が大きいのかなと思っていました」と語った。
続けて「私が障害者として想定しているのは車いすの人たちで、視覚や聴覚に障害を抱える方に触れる機会がなかったので、いかに自分が車いすベースで考えていたのかと反省させられました」と告白。「介護・介助をされるのは家族間、ヘルパーさんが多いのですが、コロナで『濃厚接触を避けてください』と言われると、我々にとったら濃厚接触を避けられたら、生活成り立たない。（感染拡大防止の）常識からすると、濃厚接触を避けるのは当たり前ですが、僕らの生活からすると濃厚接触を避けられないんですね。だから、そう言われる度に、普段接してくださる方に対して非常に申し訳ない気持ちになって、ただでさえ精神的な負担が大きい生活の中で、より大きい精神的負荷がかけられた方が多かったのではないかな」と課題を指摘した。
コロナ禍で、苦境を強いられているエンタメ業界の話題では「会場に来てくださっている記者のみなさん、健常者の方が多いと思うんですけど、現場でアーティストのライブを見に行くとか、お芝居を見に行く時に、ライブハウスや劇場って、どれくらいバリアフリーだと思いますっていう時に、そうでもなかったでしょう。（障害者は）コロナ前であっても、芸術に触れる機会が制限されていたんです」と力説。
その上で「コロナになって健常者のみなさんも含めて、生で触れる機会が少なくなってきて、オンラインが当たり前になってきて、ようやく（障害者も）家で楽しめる機会が増えてきた。これは非常にありがたいことです。コロナが収束して、生のコンテンツを楽しめる状況に戻れたとしても、そこに戻れない人もいるんだということは、覚えていていただけたらなと思います。オンライン配信がひとつのオプションとして残っていったら…」との期待を込めていた。
発表会にはそのほか、映画監督のHIKARI（オンラインでの参加）、女優の佳山明も参加。その後のフォトセッションでは、俳優の大東駿介も登壇した。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/e30bf3d40261c863d6bd805bde45a67f052b9e71
